民法第501条・債権

民法第501条:弁済による代位の効果

代位者は債権者の一切の権利を求償できる範囲内で行使できます。3項各号が第三取得者・保証人・物上保証人の関係を定めます。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

代位したら、具体的に何ができるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

債権者が持っておった権利を、まるごと使える。 民法501条じゃ。ただし二重の枠がある——そして3項の五つの号が、この節でいちばん込み入ったところじゃぞ。

1項:一切の権利を行使できる

前二条の規定により債権者に代位した者は、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。

要素 条文の言葉
誰が 民法499条・500条により債権者に代位した者
何を 債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利
効果 行使することができる

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「一切の権利」——抵当権抵当権ていとうけん目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →も質権質権しちけん債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →も保証債務保証債務ほしょうさいむ主たる債務者が債務を履行しないときに、保証人がその履行をする責任を負う債務(民法446条1項)。保証契約は書面でしなければ効力を生じません。用語ページを見る →も。債権者が握っておった武器が、そのまま手に入るのじゃ。これが弁済による代位弁済による代位べんさいによるだいい債務者のために弁済をした者が債権者に代位し、債権の効力及び担保として債権者が有していた一切の権利を行使できるようになること(民法499条・501条1項)。用語ページを見る →の値打ちじゃな。

2項:求償できる範囲内という枠

前項の規定による権利の行使は、債権者に代位した者が自己の権利に基づいて債務者に対して求償をすることができる範囲内(保証人の一人が他の保証人に対して債権者に代位する場合には、自己の権利に基づいて当該他の保証人に対して求償をすることができる範囲内)に限り、することができる。

要素 条文の言葉
枠 自己の権利に基づいて債務者に対して求償権求償権きゅうしょうけん他人のために出捐した者が、その負担すべき者に対して返還を求める権利のこと。物上保証人は、保証債務に関する規定に従い債務者に求償できます(民法351条)。用語ページを見る →をすることができる範囲内
かっこ書き 保証人の一人が他の保証人に代位する場合は、当該他の保証人に対して求償できる範囲内

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

求償権より広くは使えないんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

代位は求償権を守るための道具じゃからのう。守るべき本体より大きな器はいらぬ——筋が通っておる。

かっこ書きも見よ。 共同保証人どうしの代位では、民法465条による求償の範囲が枠になる。相手が誰かで、枠の大きさが変わるのじゃ。

3項:代位者どうしの関係

第一項の場合には、前項の規定によるほか、次に掲げるところによる。

一号:第三取得者は保証人・物上保証人に代位しない

一 第三取得者(債務者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者をいう。以下この項において同じ。)は、保証人及び物上保証人に対して債権者に代位しない。

用語 条文による定義
第三取得者第三取得者だいさんしゅとくしゃ担保の目的物を取得した第三者のこと。先取特権は、債務者が目的である動産を第三取得者に引き渡した後は行使できません(民法333条)。用語ページを見る → 債務者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

第三取得者は保証人に請求できないんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

担保が付いた財産だと知って買ったのじゃからのう。 その負担は覚悟のうえ——保証人に押しつけるのは筋違い、という判断じゃな。

二号・三号:同じ立場どうしは価格に応じて

二 第三取得者の一人は、各財産の価格に応じて、他の第三取得者に対して債権者に代位する。 三 前号の規定は、物上保証人の一人が他の物上保証人に対して債権者に代位する場合について準用する。

号 誰と誰 割り方
二 第三取得者どうし 各財産の価格に応じて
三 物上保証人物上保証人ぶつじょうほしょうにん他人の債務を担保するため自分の財産に担保権を設定した者のこと。債務を弁済し又は質物の所有権を失ったときは、債務者に求償権を有します(民法351条)。用語ページを見る →どうし 各財産の価格に応じて(二号の準用)

四号:保証人と物上保証人の間は頭数

四 保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。ただし、物上保証人が数人あるときは、保証人の負担部分を除いた残額について、各財産の価格に応じて、債権者に代位する。

段階 割り方
① 保証人と物上保証人の間 その数に応じて(頭数)
② 物上保証人が数人あるとき 保証人の負担部分を除いた残額について、各財産の価格に応じて

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

頭数と価格が、二段階で出てくる!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

ここが3項でいちばんの難所じゃ。

まず頭数で大きく分ける。 保証人1人・物上保証人2人なら、全部で3人じゃから保証人の負担部分は3分の1。

次に、残りの3分の2を物上保証人2人で分ける。 こちらは頭数ではなく、各財産の価格に応じてじゃ。

同じ立場どうし(二号・三号)は価格、違う立場の間(四号本文)は頭数——そう整理して覚えよ。

五号:譲り受けた者のみなし

五 第三取得者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、第三取得者とみなして第一号及び第二号の規定を適用し、物上保証人から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、物上保証人とみなして第一号、第三号及び前号の規定を適用する。

誰から譲り受けたか 何とみなすか 適用される号
第三取得者から 第三取得者とみなす 一号・二号
物上保証人から 物上保証人とみなす 一号・三号・四号

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

地位は財産とともに引き継がれる——そう定めた号じゃな。

物上保証人から譲り受けた者に一号が適用されるのも見落とすな。「第三取得者は保証人及び物上保証人に対して代位しない」という一号が、物上保証人とみなされた者にも及ぶという書きぶりじゃ。条文を丁寧にたどるほかない。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

債権者に代位した者は、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法501条1項がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

第三取得者は、保証人及び物上保証人に対して債権者に代位しない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法501条3項一号がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

保証人と物上保証人との間においては、各財産の価格に応じて債権者に代位する。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法501条3項四号本文は「その数に応じて、債権者に代位する」と定めています。各財産の価格に応じて代位するのは、同号ただし書により物上保証人が数人ある場合の、保証人の負担部分を除いた残額についてです。

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