民法第318条・物権
民法第318条:運輸の先取特権
運送賃や付随の費用について、運送人が占有する荷物に先取特権が成立します。手元にある荷物が担保になります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
荷物を運んだのに、運賃を払ってもらえなかったら?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法318条じゃ。運送人の占有する荷物について先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →を持つ。民法311条3号に対応しておる。
条文の内容
運輸の先取特権は、旅客又は荷物の運送賃及び付随の費用に関し、運送人の占有する荷物について存在する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 被担保債権 | 旅客又は荷物の運送賃及び付随の費用 |
| 目的物 | 運送人の占有する荷物 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「旅客又は荷物の運送賃」だから、人を運んだ運賃も入るんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文がそう書いておる。じゃが目的物は「荷物」じゃ。人を運んだ運賃であっても、押さえられるのは荷物のほう——被担保債権と目的物がずれておるのが面白いところじゃな。
「運送人の占有する」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ここも占有占有物を事実上支配していること。所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有し続けると、取得時効が成立し得ます(民法162条)。用語ページを見る →じゃ。民法317条の「その旅館に在る」、312条の「賃借人の動産」——動産の先取特権は、物がどこにあるかで決まる。
そして民法333条じゃ。荷物を渡してしまえば、もう行使できぬ。だから運送人は、運賃をもらうまで荷物を渡さぬ。留置権留置権他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留置できる権利(民法295条1項)。修理代を払ってもらうまで品物を返さない、という場面が典型です。用語ページを見る →(民法295条)とあわせて働く場面が多かろうのう。
第1順位の3つ
| 順位 | 先取特権 | 条文 |
|---|---|---|
| 1 | 不動産の賃貸 | 民法312条 |
| 1 | 旅館の宿泊 | 民法317条 |
| 1 | 運輸 | 民法318条 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
3つとも、他人の物を預かっている立場だ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そう掴んでおけばよい。手元にある物を離さぬ力があるからこそ、第1順位——そう読める並びじゃな。
なお民法330条2項の制限も忘れるな。債権取得の時に第2順位・第3順位の者があることを知っていたときは、優先権を行使できぬ。
即時取得の規定の準用
民法319条により、民法192条から195条までの規定が民法312条から318条までの先取特権に準用されます。
資格別の演習
運輸の先取特権は、旅客又は荷物の運送賃及び付随の費用に関し、運送人の占有する荷物について存在する。
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解答:◯
正しい記述です。民法318条がそのとおり定めています。
運輸の先取特権は、運送人が荷物を荷受人に引き渡した後も、その荷物について行使することができる。
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解答:×
誤りです。条文は「運送人の占有する荷物について存在する」としています。また民法333条は、債務者が目的である動産を第三取得者に引き渡した後は行使できないと定めています。
民法192条から195条までの規定は、民法312条から318条までの規定による先取特権について準用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法319条がそのとおり定めています。