民法第507条・債権
民法第507条:履行地の異なる債務の相殺
履行地が異なっても相殺はできますが、相殺をする当事者はそれによって生じた損害を賠償しなければなりません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
片方は東京で払う債務、もう片方は大阪で払う債務。それでも相殺できるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
できる。ただし埋め合わせをせよ。 民法507条——一文で許可と補償を両方定めた条文じゃぞ。
条文
相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであっても、することができる。この場合において、相殺をする当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 前段 | 双方の債務の履行地が異なるときであっても、相殺相殺互いに同種の債務を負う者の一方の意思表示により、対当額で双方の債務を消滅させること(民法505条)。用語ページを見る →をすることができる |
| 後段 | 相殺をする当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
相殺されると損する場合があるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
考えてみよ。 民法484条1項は、弁済の場所を定めておったのう。債権者にとって、どこで受け取れるかは利益じゃ。
相殺で差し引かれてしまうと、本来受け取るはずだった場所で受け取る利益が失われる——そこを金銭で埋める、というわけじゃな。
「これによって生じた損害」——履行地が違うことから生じた損害、と読める書きぶりじゃ。
「賠償しなければならない」
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
相殺した側が必ず払うんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
義務じゃ。 相手が請求してはじめて、ではなく、条文が正面から義務を課しておる書きぶりじゃな。
相殺は一方的にできる強い一手(民法506条1項)。強い権利には、それに見合う負担が伴う——そういう均衡の取り方じゃ。
なお債務不履行によるものではないから、過失過失注意すれば気づけたのに、不注意で気づかなかったこと。『善意無過失』は「知らず、かつ不注意もなかった」状態を指します。用語ページを見る →は要件になっておらぬ——条文にその言葉がないことを確かめよ。
資格別の演習
相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであってもすることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法507条前段がそのとおり定めています。
履行地の異なる債務について相殺をした当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法507条後段がそのとおり定めています。
双方の債務の履行地が異なるときは、相殺をすることができない。
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解答:×
誤りです。民法507条前段は、履行地が異なるときであっても相殺をすることができると定めています。