民法第555条・債権
民法第555条:売買
売買は、財産権の移転の約束と代金支払の約束によって効力を生ずる諾成・有償・双務の契約です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
売買契約って、書面を作らないと成立しないんじゃないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうではない。 民法555条じゃ。売買売買当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方が代金を支払うことを約することによって効力を生ずる契約(民法555条)。用語ページを見る →は約束が二つ合わさるだけで効力を生ずる——書面も引渡しも、条文には書かれておらぬ。
条文
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
| 当事者 | 約束する内容 |
|---|---|
| 一方(売主) | ある財産権を相手方に移転すること |
| 相手方(買主) | これに対してその代金を支払うこと |
| 効果 | その効力を生ずる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「財産権」って、物じゃなくてもいいんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこを見逃すでない。 条文は「物」ではなく「財産権」と書く。 債権も地上権地上権他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権(民法265条)。同じ「借りて使う」でも、債権である賃借権とは性質が異なります。用語ページを見る →も、売買の目的になりうる——そう読める広い言葉じゃ。
そして「代金」じゃ。 金銭でなければならぬ——物と物の交換なら、それは売買ではなく交換(民法586条)になる。
売買の性質
| 分類 | 理由 |
|---|---|
| 諾成契約 | 引渡しや書面を効力の要件としていない |
| 有償契約有償契約当事者が互いに対価的な意味を持つ財産上の支出をする契約のこと。売買の規定が性質の許す限り準用されます(民法559条)。用語ページを見る → | 財産権の移転と代金の支払が対価の関係に立つ |
| 双務契約双務契約契約の両当事者が互いに対価的な意味を持つ債務を負う契約のこと。売買や賃貸借がこれにあたり、同時履行の抗弁や危険負担の規定が適用されます。用語ページを見る → | 双方が互いに債務を負う |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
双務契約であるから、民法533条の同時履行の抗弁同時履行の抗弁双務契約の当事者の一方が、相手方が債務の履行を提供するまで自己の債務の履行を拒むことができるという権利(民法533条)。用語ページを見る →も、民法536条の危険負担危険負担双務契約で一方の債務が履行不能になったとき、他方の反対給付をどう扱うかという問題。民法536条1項は債権者が反対給付の履行を拒めるとしています。用語ページを見る →も働く。
そして民法559条じゃ。 売買の規定は、性質が許す限り他の有償契約に準用される——売買は有償契約の見本として置かれておるのじゃ。
資格別の演習
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
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解答:◯
正しい記述です。民法555条がそのとおり定めています。
売買契約は、契約書を作成しなければその効力を生じない。
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解答:×
誤りです。民法555条は当事者双方の約束によって効力を生ずると定めており、書面を効力の要件としていません。
売買の目的は「財産権」であり、有体物の所有権に限られない。
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解答:◯
正しい記述です。民法555条は「ある財産権を相手方に移転することを約し」と定めています。