民法第346条・物権
民法第346条:質権の被担保債権の範囲
元本・利息・違約金・実行の費用・保存の費用・損害賠償。6つを列挙する広い規定ですが、設定行為で変えられます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
質権質権債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、その物について他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法342条)。設定には目的物の引渡しが必要です(民法344条)。用語ページを見る →って、元本だけを担保するの? 利息は?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法346条じゃ。6つも並んでおる。ずいぶん広いぞ。
条文の内容
質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
| # | 担保される債権 |
|---|---|
| ① | 元本 |
| ② | 利息 |
| ③ | 違約金 |
| ④ | 質権の実行の費用 |
| ⑤ | 質物質物質権の目的として質権者に引き渡された物のこと。質権者は債権の弁済を受けるまでこれを留置できます(民法347条)。用語ページを見る →の保存の費用 |
| ⑥ | 債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償 |
ただし書により、設定行為に別段の定めがあればそれによります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
⑥の「質物の隠れた瑕疵によって生じた損害」って?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
預かった物に欠陥があって、質権者が損害を被る場合じゃな。危険物を質に取ったら壊れて周りを傷つけた、というような。預かる側のリスクも担保に含めておるわけじゃ。
質権は物を手元に置く担保じゃからのう(民法342条)。持っておること自体が負担になりうる。留置権の民法299条が費用償還を認めておったのと、通じるところがある。
抵当権との違い
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
抵当権では、民法375条が利息等について制限を置いておる。じゃが質権にはそれがない。
違いの理由も見えよう。抵当権は物を手元に置かぬゆえ、同じ物に何本も抵当権を設定できる。だから後順位者を守るために範囲を絞る必要がある。
一方、質権は物を手元に置く。同じ物を二人に引き渡すことはできぬ——後から順位を争う者が現れにくいのじゃな。もっとも民法355条は、数個の質権が設定された場合の順位を定めておるがのう。
ただし書
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない」。当事者で決められるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
任意規定任意規定当事者が異なる合意をすればそちらが優先する規定。民法91条にいう「公の秩序に関しない規定」がこれにあたります。用語ページを見る →じゃな。民法272条ただし書(永小作権の譲渡禁止)や、民法281条1項ただし書(地役権の付従性)と同じ作りじゃ。
物権の種類は法律が決めるが(民法175条)、その中身の細部は当事者に委ねられる部分がある——ここでもその姿が見える。
資格別の演習
質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する。
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解答:◯
正しい記述です。民法346条本文がそのとおり定めています。
質権の被担保債権の範囲は、設定行為に別段の定めがあるときはそれによる。
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解答:◯
正しい記述です。民法346条ただし書がそのとおり定めています。
質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償も、民法346条により質権が担保する範囲に含まれる。
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解答:◯
正しい記述です。条文はこれを明示的に列挙しています。