民法第340条・物権
民法第340条:不動産売買の先取特権の登記
売買契約と同時に、代価が未払いである旨を登記します。3つの登記のなかで、もっともタイミングが限られています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
不動産不動産土地及びその定着物のこと(民法86条1項)。価値の高低ではなく、土地に定着しているかどうかで動産と区別されます。用語ページを見る →売買の先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →(民法328条)。登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →はいつ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法340条じゃ。売買契約と同時に——3つのなかで、もっとも狭いタイミングじゃな。
条文の内容
不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約と同時に、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨を登記しなければならない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| いつ | 売買契約と同時に |
| 何を | 不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「弁済がされていない旨」を登記するんだ。金額じゃなくて。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文の言葉じゃ。民法338条1項が「その費用の予算額を登記」としておったのと、登記する中身が違うのう。
売買の場面では、代価が未払いであること自体が公示の対象、と読める。買主から不動産を譲り受けようとする者に「まだ代金が払われておらぬ」と知らせるわけじゃな。
3つの登記を並べる
| 条文 | 対象 | 時期 | 登記する内容 |
|---|---|---|---|
| 民法337条 | 不動産の保存 | 保存行為が完了した後直ちに | (定めなし) |
| 民法338条1項 | 不動産の工事 | 工事を始める前に | 費用の予算額 |
| 民法340条 | 不動産の売買 | 売買契約と同時に | 代価又は利息の弁済がされていない旨 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
完了後・開始前・同時。ぜんぶ違う!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ここは第八章でいちばん問われるところじゃ。3つセットで表にして覚えるのが早道じゃぞ。
そして忘れるな。民法339条が抵当権に優先させておるのは、337条と338条の2つだけ。340条の売買は含まれておらぬ。
第四節の締めくくり
民法341条は「先取特権の効力については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、抵当権に関する規定を準用する」と定めます。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第八章は、最後に抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →へ橋を架けて終わるのじゃ。先取特権と抵当権は、いずれも目的物を手元に置かぬ担保——似た者どうしじゃからのう。
資格別の演習
不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約と同時に、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨を登記しなければならない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法340条がそのとおり定めています。
不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約の後直ちに登記をしなければならない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法340条は「売買契約と同時に」としています。「完了した後直ちに」とされているのは不動産保存の先取特権(民法337条)です。
民法340条により登記すべき内容は、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨である。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。条文がそのとおり定めています。なお民法338条1項が登記させるのは「その費用の予算額」であり、登記の内容が異なります。