民法第386条・物権
民法第386条:抵当権消滅請求の効果
全債権者の承諾と、払渡し又は供託。この2つがそろってはじめて抵当権が消滅します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
いよいよ抵当権消滅請求抵当権消滅請求抵当不動産の第三取得者が、代価等を提供して抵当権の消滅を求める手続(民法379条・383条)。主たる債務者・保証人及びその承継人はすることができません(民法380条)。用語ページを見る →のゴールだね!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法386条じゃ。2つの要件がそろってはじめて消える。ひとつでも欠ければ、抵当権は残ったままじゃぞ。
条文の内容
登記をしたすべての債権者が抵当不動産の第三取得者の提供した代価又は金額を承諾し、かつ、抵当不動産の第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したときは、抵当権は、消滅する。
| # | 要件 |
|---|---|
| ① | 登記をしたすべての債権者が提供した代価又は金額を承諾 |
| ② | 第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託 |
| 効果 | 抵当権は、消滅する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「すべての債権者」! ひとりでも反対したら消えないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。ただし民法384条のみなし承諾も「承諾」に含まれる。2か月動かなければ承諾とみなされるのじゃから、実際には沈黙で全員そろうことも多かろう。
条文が「登記をしたすべての」と書いておるから、民法383条の書面を登記をした各債権者に漏れなく送ることが、そのまま386条の要件につながっておるのじゃな。
「払い渡し又は供託」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
承諾だけでは足りぬ。現に金を渡すか、供託するか——ここまでして抵当権は消える。
民法383条3号の書面にも「弁済し又は供託すべき旨」と書いてあったのう。予告したとおりのことを実行する、という筋が通っておる。
代価弁済との書きぶりの違い
| 代価弁済代価弁済抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を弁済すること。これにより抵当権はその第三者のために消滅します(民法378条)。用語ページを見る →(民法378条) | 抵当権消滅請求(民法386条) | |
|---|---|---|
| 効果の書き方 | 抵当権は、その第三者のために消滅する | 抵当権は、消滅する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
386条には「その第三者のために」が付いてない!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう気づいたのう。条文の言葉の差じゃ。378条は限定を付け、386条は端的に「消滅する」と言い切っておる。
書き分けられているものは、書き分けられたまま受け取る——それが確かな読み方じゃぞ。
根抵当権の消滅請求
民法398条の22第1項は、元本の確定後に現に存する債務の額が極度額極度額根抵当権が担保する限度額のこと。根抵当権者は、確定した元本・利息・損害賠償の全部について、この額を限度に権利を行使できます(民法398条の3第1項)。用語ページを見る →を超えるとき、一定の者が「その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権根抵当権一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する抵当権(民法398条の2)。継続的な取引から生じる債権をまとめて担保できます。用語ページを見る →の消滅請求をすることができる」と定めます。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
根抵当権のほうは極度額を払うという組み立てじゃ。承諾を集める386条とは、道筋が違うのう。
資格別の演習
登記をしたすべての債権者が第三取得者の提供した代価又は金額を承諾し、かつ、第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したときは、抵当権は消滅する。
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解答:◯
正しい記述です。民法386条がそのとおり定めています。
登記をしたすべての債権者が第三取得者の提供した代価又は金額を承諾した時点で、抵当権は消滅する。
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解答:×
誤りです。民法386条は承諾に加えて「かつ」、承諾を得た代価又は金額の払渡し又は供託を要求しています。
民法384条により承諾したものとみなされた債権者も、民法386条の「承諾し」た債権者に含まれる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法384条は「承諾したものとみなす」と定めており、みなし承諾も承諾として扱われます。