民法第545条・債権
民法第545条:解除の効果
解除により各当事者は原状回復義務を負いますが第三者の権利を害せず、金銭には受領時からの利息を付します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
解除したら、受け取ったものはどうするの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
戻すのじゃ。 民法545条——**原状回復義務原状回復義務解除によって各当事者が負う、相手方を契約前の状態に戻す義務のこと(民法545条1項本文)。用語ページを見る →**じゃな。そして「ただし、第三者の権利を害することはできない」——ここが試験の山場じゃぞ。
条文
1 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3 第一項本文の場合において、金銭以外の物を返還するときは、その受領の時以後に生じた果実をも返還しなければならない。
4 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項本文 | 各当事者は相手方を原状に復させる義務を負う |
| 1項ただし書 | 第三者の権利を害することはできない |
| 2項 | 金銭の返還には受領の時から利息を付す |
| 3項 | 金銭以外の物の返還には**受領の時以後に生じた果実果実物から生じる収益のこと。作物などの天然果実と、賃料などの法定果実があります(民法88条)。善意の占有者はこれを取得できます(民法189条1項)。用語ページを見る →**も返還 |
| 4項 | 解除権の行使は損害賠償の請求を妨げない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
4項、解除したうえに損害賠償も請求できるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「妨げない」と書いてある。 契約をやめることと、被った損害を埋めることは別——どちらも取れる、という組み立てじゃな。
2項と3項も見比べよ。 金銭なら利息、物なら果実——受領の時を起点として、その間の果実まで戻させる。 手元に置いていた分の利得を残させぬ、という発想と読める。
判例——1項ただし書の「第三者」
最判昭和40年2月23日(集民第77号563頁/昭和39(オ)416)は、 取得した権利について対抗要件を具備していない第三者は、民法545条1項ただし書にいう第三者にあたらない と判断しました。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ただし書で守られるには、登記まで要るってことなんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
この判決が示したのはそこじゃ。 契約から離脱する当事者と、そこから権利を得た者との争い——対抗要件対抗要件当事者間で成立した権利関係を、第三者に対して『自分が権利者だ』と主張するために必要な要件(不動産における登記など)。用語ページを見る →を備えたかどうかで線が引かれておる。
要旨に現れておるのはこの一点じゃ。 それ以上のことを足して覚えぬようにな。
資格別の演習
当事者の一方が解除権を行使したときは、各当事者はその相手方を原状に復させる義務を負う。
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解答:◯
正しい記述です。民法545条1項本文がそのとおり定めています。
解除により金銭を返還するときは、解除の意思表示が到達した時から利息を付さなければならない。
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解答:×
誤りです。民法545条2項は「その受領の時から利息を付さなければならない」と定めています。
解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。
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解答:◯
正しい記述です。民法545条4項がそのとおり定めています。
解除前に目的不動産を譲り受けた者は、登記を備えていなくても民法545条1項ただし書の第三者として保護される。
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解答:×
誤りです。最判昭和40年2月23日は、取得した権利について対抗要件を具備していない第三者は民法545条1項ただし書にいう第三者にあたらないとしました。