民法第697条・債権
民法第697条:事務管理
義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、最も本人の利益に適合する方法により、本人の意思を知り又は推知できるときはその意思に従って管理しなければなりません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
隣の家の割れた窓を、頼まれてないのに直してあげた。これって何かの契約?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
契約ではない。 事務管理事務管理義務がないのに他人のために事務の管理をすること(民法697条1項)。契約がなくても管理者と本人の間に権利義務が生じます。用語ページを見る →じゃ。 民法697条——契約がなくとも権利義務が生まれる仕組みじゃぞ。
条文
1 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。
2 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(=管理者管理者義務なく他人のために事務の管理を始めた者のこと(民法697条1項のかっこ書きによる定義)。用語ページを見る →)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって管理する |
| 2項 | 本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って管理する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「義務なく」——ここが出発点なんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが第一の要件じゃ。 契約や法律で義務を負っておるなら、事務管理にはならぬ。
委任委任当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる契約(民法643条)。用語ページを見る →の受任者は義務を負う——だから697条の話ではないのう。
そして「他人のために」——自分のためにやったのでは足りぬ、と読める。
1項と2項の関係
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
1項は客観的な基準じゃ。 事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法。
2項は主観的な基準——本人の意思が分かるなら、それに従え。
本人の利益を勝手に決めつけるな——そう読める組み立てじゃな。
民法700条ただし書も同じ発想じゃ。 継続が本人の意思に反することが明らかなら、続けなくてよい。
民法702条3項では、本人の意思に反した管理の場合、費用の償還が現存利益現存利益受け取ったもののうち、返還を求められた時点で現に手元に残っている利益のこと。意思能力を欠いていた者や制限行為能力者は、この限度で返せば足ります(民法121条の2第3項)。用語ページを見る →の限度に絞られる——意思の尊重が、条文の各所に現れておる。
資格別の演習
義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって事務管理をしなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法697条1項がそのとおり定めています。
管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法697条2項がそのとおり定めています。
契約上の義務に基づいて他人の事務を処理する者も、民法697条にいう管理者にあたる。
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解答:×
誤りです。民法697条1項は「義務なく他人のために事務の管理を始めた者」を管理者と定義しています。