民法第510条・債権
民法第510条:差押禁止債権を受働債権とする相殺の禁止
債権が差押えを禁じられたものであるときは、その債務者は相殺をもって債権者に対抗できません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
給料は差し押さえに限度があるって聞いたけど、相殺は?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
相殺も封じられる。 民法510条じゃ。差押えを禁じたのに相殺で取れては、禁止の意味がない——一文で言い切っておるぞ。
条文
債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 債権が差押えを禁じたもの(差押禁止債権差押禁止債権法律により差押えが禁じられている債権のこと。その債務者は相殺をもって債権者に対抗できません(民法510条)。用語ページを見る →)であるとき |
| 誰が | その債務者は |
| できないこと | 相殺相殺互いに同種の債務を負う者の一方の意思表示により、対当額で双方の債務を消滅させること(民法505条)。用語ページを見る →をもって債権者に対抗すること |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「その債務者」——差押禁止債権を負っている側だね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。 差押禁止債権を受働債権受働債権相殺をする側が負っている債務(相手方から見た債権)のこと。相殺によって消される側の債権です。用語ページを見る →とする相殺——それが封じられるのじゃ。
民法509条と同じ構えじゃな。「次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない」——あちらも受働債権の側を縛っておった。
なぜ封じるのか
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
差押えができないのに、相殺ならできるっておかしいもんね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
見事な要約じゃ。
差押えを禁じる法律は、その債権を債権者本人の手に確実に届けるために置かれておる。生活の糧を守る——**そういう趣旨が典型じゃな。
そこへ相殺を認めたら、債務者は差押えという手続を踏まずに、同じ結果を手にしてしまう。裏口から入られては、正面の錠前が意味を失う——だから塞ぐのじゃ。
どの債権が差押禁止かは、民事執行法など他の法律が定める。民法510条は、その禁止を相殺の場面に橋渡しする条文じゃな。
相殺が制限される三つの条文
| 条文 | 受働債権となるもの |
|---|---|
| 民法509条 | 悪意の不法行為・生命身体侵害による損害賠償の債務 |
| 民法510条 | 差押えを禁じられた債権 |
| 民法511条 | 差押えを受けた債権(差押え後に取得した債権による相殺) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
三か条が並んでおる。 いずれも「受働債権が特別な性格を持つ」場面じゃ。まとめて押さえるとよいぞ。
資格別の演習
債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は相殺をもって債権者に対抗することができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法510条がそのとおり定めています。
民法510条は、差押えを禁じられた債権を自働債権とする相殺を禁止する規定である。
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解答:×
誤りです。民法510条は「その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない」と定めており、差押禁止債権を受働債権とする相殺を制限するものです。