民法第620条・債権
民法第620条:賃貸借の解除の効力
賃貸借の解除は将来に向かってのみ効力を生じ、損害賠償の請求は妨げられません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
賃貸借を解除したら、これまで払った家賃も返してもらえるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
返らぬ。 民法620条じゃ。「将来に向かってのみ」——民法545条の原状回復義務原状回復義務解除によって各当事者が負う、相手方を契約前の状態に戻す義務のこと(民法545条1項本文)。用語ページを見る →とは筋が違うのじゃ。
条文
賃貸借の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 効力 | 将来に向かってのみその効力を生ずる |
| 付随 | 損害賠償の請求を妨げない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
さかのぼらないんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
賃貸借は、時の経過とともに給付が積み重なる契約じゃ。
すでに使わせた月日は、返しようがないのう。それを無理にほどけば、使用の利益を金に換算し直すことになる——煩わしいばかりじゃ。
そこで、はじめからなかったことにはせず、これから先だけを断つ——そう読める。
なお「解除」と書かれておるが、その効果は解約の申入れ解約の申入れ期間の定めのない継続的契約を将来に向けて終わらせるための意思表示のこと。賃貸借では民法617条、雇用では民法627条が一定期間の経過による終了を定めています。用語ページを見る →に近いのう。講学上「告知」と呼ばれることもある働きじゃ。
他の契約への準用
| 契約 | 準用の条文 |
|---|---|
| 雇用雇用当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対して報酬を与えることを約する契約(民法623条)。用語ページを見る → | 民法630条 |
| 委任委任当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる契約(民法643条)。用語ページを見る → | 民法652条 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
継続的な契約には、そろって民法620条が及ぶ——並べて覚えるとよいぞ。
そして後段。 将来に向かって切るだけで、損害の埋め合わせは別に求められる——民法545条4項と同じ趣旨と読める。
資格別の演習
賃貸借の解除をした場合には、その解除は将来に向かってのみその効力を生ずる。
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解答:◯
正しい記述です。民法620条前段がそのとおり定めています。
賃貸借が解除された場合、各当事者は民法545条1項により原状回復義務を負い、既払賃料も返還される。
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解答:×
誤りです。民法620条前段は、賃貸借の解除が将来に向かってのみ効力を生ずると定めています。
賃貸借の解除が将来に向かってのみ効力を生ずる場合であっても、損害賠償の請求は妨げられない。
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解答:◯
正しい記述です。民法620条後段がそのとおり定めています。