民法第305条・物権
民法第305条:先取特権の不可分性
留置権の不可分性が、先取特権にも準用されます。債権の全部の弁済を受けるまで、目的物の全部に及びます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →も、一部だけ弁済されたら一部だけになるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ならぬ。民法305条じゃ。民法296条を借りてくる——たった一文で不可分性不可分性権利を分けて一部だけ行使したり消滅させたりできない性質のこと。地役権(民法282条)、留置権(民法296条)、先取特権(民法305条)に共通します。用語ページを見る →を持ち込んでおる。
条文の内容
第二百九十六条の規定は、先取特権について準用する。
準用される民法296条は、次のとおりです。
留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。
| 先取特権に当てはめると | |
|---|---|
| いつまで | 債権の全部の弁済を受けるまで |
| どこまで | 目的物の全部について |
| 効果 | その権利を行使することができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
留置権留置権他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留置できる権利(民法295条1項)。修理代を払ってもらうまで品物を返さない、という場面が典型です。用語ページを見る →の条文を、そのまま持ってくるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。担保物権に共通する性質じゃからのう。一部の弁済で担保が痩せていくのでは、最後の一円を取り立てる力が失われる。
第一節「総則」の3か条を並べてみよ。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法303条 | 先取特権の内容(優先弁済優先弁済他の債権者に先立って自分の債権の弁済を受けること。先取特権の中心的な効力です(民法303条)。用語ページを見る →) |
| 民法304条 | 物上代位物上代位担保の目的物が売却・賃貸・滅失・損傷したときに、債務者が受けるべき金銭などに対して権利を行使すること(民法304条1項)。払渡し又は引渡しの前に差押えが必要です。用語ページを見る → |
| 民法305条 | 不可分性 |
何ができるか、どこまで追えるか、どこまで及ぶか——3か条で先取特権の骨格が定まる。よくできた並びじゃ。
民法の準用の連鎖
| 借りる側 | 借りる条文 |
|---|---|
| 民法245条 | 民法243条・244条(付合 → 混和) |
| 民法279条 | 民法269条(地上権 → 永小作権) |
| 民法294条 | 第六章(地役権 → 入会権) |
| 民法264条の8第5項 | 民法264条の3〜264条の7(土地 → 建物) |
| 民法305条 | 民法296条(留置権 → 先取特権) |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
こうして並べると、民法が同じことを二度書かぬ姿勢がよく見える。準用の条文に出会ったら、必ず準用元を開いて読むのじゃぞ。
資格別の演習
民法296条の規定は、先取特権について準用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法305条がそのとおり定めています。
先取特権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、目的物の全部についてその権利を行使することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法305条により民法296条が準用されるため、先取特権にも不可分性が認められます。
民法305条により先取特権に準用されるのは、留置権者による果実の収取を定める民法297条である。
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解答:×
誤りです。民法305条が準用するのは「第二百九十六条」(留置権の不可分性)です。