民法第520条の16・債権
民法第520条の16:記名式所持人払証券の譲渡における債務者の抗弁の制限
債務者は、証券記載事項等を除き、譲渡前の債権者に対抗できた事由を善意の譲受人に対抗できません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
抗弁の制限も、指図証券と同じ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
同じじゃ。 民法520条の16——民法520条の6と、証券の名前を除いてまったく同じ言葉じゃぞ。
条文
記名式所持人払証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 記名式所持人払証券記名式所持人払証券債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているもの(民法520条の13のかっこ書きによる定義)。譲渡は交付によってします。用語ページを見る →の債務者は |
| 何を | 譲渡前の債権者に対抗することができた事由 |
| 誰に | 善意善意ある特定の事情や事実を『知らない』こと。道徳的な善悪とは関係ありません。用語ページを見る →の譲受人譲受人債権譲渡で債権を受け取る側、つまり新しい債権者のこと。用語ページを見る →に |
| 効果 | 対抗することができない |
| 除外 | その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ここでも抗弁が切れるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法468条1項の債権譲渡とは正反対じゃ。 証券を信じて取得した者を守る——第七節を貫く思想じゃな。
記名式所持人払証券は交付だけで移る(民法520条の13)。流通が速いぶん、譲受人の保護も厚くせねば釣り合わぬのじゃ。
第一款と第二款の対応
| 内容 | 指図証券指図証券証券に記載された者又はその者が指図した者に弁済すべき有価証券。譲渡には裏書と交付が必要です(民法520条の2)。用語ページを見る → | 記名式所持人払証券 |
|---|---|---|
| 譲渡 | 民法520条の2(裏書裏書証券上の権利を譲渡するために証券にする記載のこと。指図証券の譲渡には裏書と交付が必要です(民法520条の2)。方式は手形法の規定が準用されます(民法520条の3)。用語ページを見る →+交付) | 民法520条の13(交付) |
| 権利の推定 | 民法520条の4(裏書の連続) | 民法520条の14(所持) |
| 善意取得 | 民法520条の5 | 民法520条の15 |
| 抗弁の制限 | 民法520条の6 | 民法520条の16 |
| 質入れ | 民法520条の7 | 民法520条の17 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
きれいに対応しておるじゃろう。 第二款は第一款をなぞる形で組み立てられておるのじゃ。
違うのは最初の二つ——譲渡の方法と推定の条件だけ。そこを押さえれば、残りは同じじゃな。
資格別の演習
記名式所持人払証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法520条の16がそのとおり定めています。
記名式所持人払証券の債務者は、譲渡前の債権者に対抗することができた事由をすべて善意の譲受人に対抗することができる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法520条の16は、証券記載事項及び証券の性質から当然に生ずる結果を除き、善意の譲受人に対抗することができないと定めています。