民法第128条・総則
民法第128条:条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止
条件の成否が決まらない間も、当事者は相手方の期待を壊してはいけません。まだ効力が生じていない段階の相手方を守る条文です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「試験に受かったら車をあげる」と言われたのに、その車を壊されちゃったら? まだ条件が成就してないから、文句は言えないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
言えるのじゃ。民法128条が、条件の成否が未定である間も相手方の利益を害してはならぬと定めておる。まだ効力が生じておらぬからといって、何をしてもよいわけではないのじゃよ。
条文の内容
条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 誰が | 条件付法律行為法律行為契約や遺言のように、意思表示を要素として、その意思のとおりの法律効果を生じさせる行為のこと。用語ページを見る →の各当事者 |
| いつ | 条件の成否が未定である間 |
| 何を | 条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益 |
| 効果 | 害することができない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「各当事者」って書いてあるのがいいね。どっちも守られるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう読んだのう。停止条件停止条件成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る →付きなら効力を待つ側、解除条件解除条件成就すると法律行為の効力を失わせる条件。解除条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を失います(民法127条2項)。用語ページを見る →付きなら効力を失う側——どちらの立場でも、成就した場合に得るはずの利益がある。条文はそれを分け隔てなく守っておる。
「成就した場合に……生ずべき利益」
条文が守っているのは、まだ現実には生じていない利益です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ここが面白いところじゃ。条件条件法律行為の効力を、成就するかどうか分からない事実にかからせる定めのこと。必ず到来する「期限」と区別されます。用語ページを見る →が成就するかどうかは分からぬ。成就せねば、その利益は永久に生まれぬかもしれぬ。それでも民法は「生ずべき利益」として保護の対象に据えておる。
条件付きの約束を結んだ以上、待っている間の期待には値打ちがある——そう見ておるのじゃな。
民法129条と対にして読む
隣の民法129条は、同じ「条件の成否が未定である間」を扱いますが、向きが違います。
| 民法128条 | 民法129条 | |
|---|---|---|
| 定めていること | 相手方の利益を害してはならない | 当事者の権利義務を処分・相続・保存・担保供与できる |
| 向き | 禁止 | 許容 |
| 守られるもの | 相手方の期待 | 条件付きの権利の財産としての値打ち |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
128条が「壊すな」で、129条が「使っていい」なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
うまい言い方じゃ。両方あってはじめて、条件付きの権利がひとつの財産として扱えるようになる。片方だけでは足りぬのじゃな。
既成条件の場合にも準用される
民法131条3項は、条件がすでに成就していた(又は成就しないことが確定していた)場合について、次のように定めています。
前二項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第百二十八条及び第百二十九条の規定を準用する。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
すでに結論は出ておるのに、当事者がそれを知らない間は、128条・129条が準用される。当事者から見れば、まだ宙づりのままじゃからのう。知らない者の立場で条文を組む——民法らしい配慮じゃ。
資格別の演習
条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法128条がそのとおり定めています。条文は「各当事者」としており、いずれの側も相手方の利益を害してはなりません。
民法128条は、停止条件付法律行為についてのみ適用され、解除条件付法律行為には適用されない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法128条は「条件付法律行為の各当事者は」と定めており、停止条件停止条件成就するまで法律行為の効力の発生を止めておく条件。停止条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を生じます(民法127条1項)。用語ページを見る →付か解除条件解除条件成就すると法律行為の効力を失わせる条件。解除条件付法律行為は、条件が成就した時から効力を失います(民法127条2項)。用語ページを見る →付かで区別していません。
条件が法律行為の時に既に成就していた場合であっても、当事者がそのことを知らない間は、民法128条の規定が準用される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法131条3項は、同条1項・2項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、民法128条及び129条の規定を準用すると定めています。