民法第472条の3・債権
民法第472条の3:免責的債務引受における引受人の求償権
免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
引受人が払ったら、元の債務者に「返して」って言えるよね?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
言えぬ。 民法472条の3——たった一文で、きっぱり否定しておるぞ。
条文
免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 免責的債務引受免責的債務引受引受人が債務者と同一の内容の債務を負担し、債務者が自己の債務を免れること(民法472条1項)。用語ページを見る →の引受人引受人債務引受によって債務者の債務と同一の内容の債務を負担する者のこと。用語ページを見る →は |
| 何を | 債務者に対して**求償権求償権他人のために出捐した者が、その負担すべき者に対して返還を求める権利のこと。物上保証人は、保証債務に関する規定に従い債務者に求償できます(民法351条)。用語ページを見る →を取得しない** |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どうして? 保証人は求償できるのに。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
引き受けたのは「自分の債務」じゃからじゃ。
保証人保証人主たる債務者が債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う者(民法446条1項)。用語ページを見る →は他人の債務を担保する立場。だから払えば他人の債務を消したことになり、求償できる(民法459条以下)。
じゃが免責的債務引受では、債務者はすでに債務を免れておる(民法472条1項)。引受人が払うのは、まぎれもなく自分の債務じゃ。自分の借金を返して他人に請求する道理はない——そういう筋じゃな。
併存的との違い
| 併存的債務引受併存的債務引受引受人が債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担すること(民法470条1項)。元の債務者は債務を免れません。用語ページを見る → | 免責的債務引受 | |
|---|---|---|
| もとの債務者 | 債務を免れない | 債務を免れる |
| 引受人の債務の性質 | 連帯債務(民法470条1項) | 自分だけの債務 |
| 求償 | 連帯債務連帯債務目的が可分な債務について、法令の規定又は当事者の意思表示により数人が連帯して負担する債務(民法436条)。債権者は一人に全部の履行を請求できます。用語ページを見る →の求償(民法442条以下) | 取得しない(民法472条の3) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
併存的なら連帯債務者どうしの求償があるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法470条1項が「債務者と連帯して」と書いておるからのう。 連帯債務者の一人が弁済すれば、民法442条の求償が働く——条文をたどれば自然に出てくる。
二つの債務引受で、求償の扱いが正反対——ここは試験で必ず問われるところじゃ。
引受人と債務者の間の取決めは
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
でも実際は、引受人と債務者の間で「後で返してね」って約束するんじゃない?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文が否定しておるのは「求償権の取得」じゃ。 この一条から読み取れるのは、そこまでじゃな。
条文が書いていないことを、条文の名で語らぬ——それがこの学び方の作法じゃ。 民法472条の3の答えは「取得しない」、それだけを確かに覚えよ。
資格別の演習
免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しない。
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解答:◯
正しい記述です。民法472条の3がそのとおり定めています。
免責的債務引受の引受人が債権者に弁済したときは、民法459条の準用により債務者に対して求償することができる。
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解答:×
誤りです。民法472条の3は、免責的債務引受の引受人は債務者に対して求償権を取得しないと定めています。
併存的債務引受の引受人も、免責的債務引受の引受人と同様に、債務者に対して求償権を取得しない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。求償権を取得しないと定めるのは民法472条の3であり、免責的債務引受についての規定です。併存的債務引受の引受人は民法470条1項により債務者と連帯して債務を負担します。