民法第303条・物権
民法第303条:先取特権の内容
法律の規定に従い、他の債権者に先立って弁済を受ける権利。契約なしに法律が当然に与える担保物権です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
会社が倒産したら、お給料はどうなるの? 他の借金と同じ扱い?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこで民法303条の先取特権先取特権法律の規定に従い、債務者の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利(民法303条)。当事者の契約ではなく法律によって当然に生じる担保物権です。用語ページを見る →じゃ。契約をせずとも、法律が当然に与える担保でな。第八章の入口じゃよ。
条文の内容
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 根拠 | この法律その他の法律の規定に従い |
| 対象 | その債務者の財産について |
| 順位 | 他の債権者に先立って |
| 効果 | 自己の債権の弁済を受ける権利 |
これが優先弁済優先弁済他の債権者に先立って自分の債権の弁済を受けること。先取特権の中心的な効力です(民法303条)。用語ページを見る →です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「この法律その他の法律の規定に従い」……。民法175条と同じ言い方だ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう結びつけたのう。民法175条は「物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない」じゃった。物権法定主義物権法定主義物権は法律に定めるもののほか創設することができない、という原則(民法175条)。当事者が合意しても、新しい種類の物権を勝手に作ることはできません。用語ページを見る →じゃな。
先取特権も物権じゃ。当事者が契約で作るものではなく、法律が定めた場合にだけ生じる。ここが留置権とも似ておるが、抵当権や質権とは大きく違うところじゃ。
担保物権の4つ
| 章 | 担保物権 | 発生原因 |
|---|---|---|
| 第七章 | 留置権留置権他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留置できる権利(民法295条1項)。修理代を払ってもらうまで品物を返さない、という場面が典型です。用語ページを見る →(民法295条〜) | 法律の規定 |
| 第八章 | 先取特権(民法303条〜) | 法律の規定 |
| 第九章 | 質権(民法342条〜) | 契約 |
| 第十章 | 抵当権(民法369条〜) | 契約 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
前の2つが法定担保物権、後の2つが約定担保物権と呼ばれる区分じゃな。条文の言葉ではないが、並べて見れば違いは明らかじゃろう。
判例
最決平成14年2月5日(集民第205号395頁)
判示事項は「商法704条2項にいう先取特権と民法上の先取特権」です。裁判要旨は次のとおりです。
商法704条2項にいう先取特権には,民法上の先取特権も含まれる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
短い要旨じゃが、民法303条が「その他の法律の規定に従い」としておることの裏返しでもある。先取特権は民法だけの制度ではない——他の法律にも散らばっておるのじゃ。
第八章の構成
| 節 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 第一節 総則 | 民法303条〜305条 | 内容・物上代位物上代位担保の目的物が売却・賃貸・滅失・損傷したときに、債務者が受けるべき金銭などに対して権利を行使すること(民法304条1項)。払渡し又は引渡しの前に差押えが必要です。用語ページを見る →・不可分性不可分性権利を分けて一部だけ行使したり消滅させたりできない性質のこと。地役権(民法282条)、留置権(民法296条)、先取特権(民法305条)に共通します。用語ページを見る → |
| 第二節 種類 | 民法306条〜328条 | 一般・動産・不動産の先取特権 |
| 第三節 順位 | 民法329条〜332条 | 先取特権相互の順位 |
| 第四節 効力 | 民法333条〜341条 | 追及効・配当など |
資格別の演習
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
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解答:◯
正しい記述です。民法303条がそのとおり定めています。
先取特権は、当事者間の契約によって設定することができる。
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解答:×
誤りです。民法303条は「この法律その他の法律の規定に従い」としており、先取特権は法律の定めによって当然に生じる法定担保物権です。
判例によれば、商法704条2項にいう先取特権には、民法上の先取特権も含まれる。
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解答:◯
正しい記述です。最決平成14年2月5日(集民第205号395頁)の裁判要旨がそのとおり述べています。