民法第269条の2・物権

民法第269条の2:地下又は空間を目的とする地上権

地下鉄やモノレールのために、土地を「上下の範囲を定めて」使う地上権。土地の立体的な利用を可能にした条文です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

地下鉄って、人の家の下を通ってるよね? あれって土地を全部買ってるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

買わずとも済む道がある。民法269条の2じゃ。上下の範囲を区切って地上権地上権ちじょうけん他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権(民法265条)。同じ「借りて使う」でも、債権である賃借権とは性質が異なります。用語ページを見る →を設定する。土地を立体的に切り分ける条文でな、枝番が付いておるとおり後から加わったものじゃ。

1項:上下の範囲を定めて設定できる

地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。この場合においては、設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる。

要素 条文の言葉
対象 地下又は空間
目的 工作物工作物こうさくぶつ人が土地に手を加えて設けた物のこと。建物・橋・トンネルなどを指し、地上権の目的(民法265条)や相隣関係の条文にたびたび登場します。用語ページを見る →を所有するため
範囲 上下の範囲を定めて
追加 設定行為で、その土地の使用に制限を加えることができる

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

民法265条は「竹木」も入っていたけど、こっちは工作物だけだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よう気づいたのう。地下や空間に竹木を所有する、というのは考えにくいからのう。条文は必要な範囲でしか広げぬ。

民法207条を思い出すとよい。「土地の所有権は……その土地の上下に及ぶ」じゃった。土地は柱のようなもの——であれば、その柱を輪切りにして使わせることもできよう。それを可能にしたのが269条の2じゃ。

使用の制限

後段の「土地の使用に制限を加えることができる」も大事です。地下にトンネルがあるなら、地上で重い建物を建てられては困ります。地上権の行使のために、土地所有者の使い方を縛れるという定めです。

2項:既に権利を持つ者がいる場合

前項の地上権は、第三者がその土地の使用又は収益をする権利を有する場合においても、その権利又はこれを目的とする権利を有するすべての者の承諾があるときは、設定することができる。この場合において、土地の使用又は収益をする権利を有する者は、その地上権の行使を妨げることができない。

要素 条文の言葉
場面 第三者がその土地の使用又は収益をする権利を有する
要件 その権利又はこれを目的とする権利を有するすべての者の承諾
効果① 1項の地上権を設定することができる
効果② 使用収益をする権利を有する者は、その地上権の行使を妨げることができない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「すべての者の承諾」……厳しいね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

すでに賃借人や地上権者がおる土地に、さらに地下の地上権を重ねる話じゃからのう。先にいた者の権利を、後から縮めることになる。だから全員の承諾を求めておる。

そのかわり、いったん承諾すれば「その地上権の行使を妨げることができない」。承諾は重い、ということじゃな。

資格別の演習

宅建正誤問題AI生成類題

地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法269条の2第1項前段がそのとおり定めています。

行政書士正誤問題AI生成類題

民法269条の2の地上権は、工作物又は竹木を所有するために設定することができる。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。同条1項は「工作物を所有するため」としており、竹木は含まれていません。竹木も対象とするのは民法265条です。

司法書士正誤問題AI生成類題

第三者が土地の使用又は収益をする権利を有する場合でも、その権利又はこれを目的とする権利を有するすべての者の承諾があるときは、民法269条の2第1項の地上権を設定することができる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法269条の2第2項前段がそのとおり定めています。この場合、使用収益をする権利を有する者はその地上権の行使を妨げることができません。

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