民法第238条・物権

民法第238条:境界線付近の掘削に関する注意義務

距離を保てば終わりではありません。土砂の崩壊や水・汚液の漏出を防ぐ注意が必要です。第二款「相隣関係」を締めくくる条文です。

  • 行政書士
  • 司法書士
  • 司法試験

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

民法237条の距離さえ守れば、あとは自由に掘っていいんだよね?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

いや、そうはいかぬ。民法238条が注意義務を重ねておる。ここで第二款「相隣関係相隣関係そうりんかんけい隣り合う土地の所有者どうしの利害を調整する民法209条〜238条のルール。所有権を互いに少しずつ制限し、また少しずつ広げます。用語ページを見る →」も終わりじゃ。

条文の内容

境界線の付近において前条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない。

要素 条文の言葉
場面 境界線の付近において前条(民法237条)の工事をするとき
防ぐべきもの ① 土砂の崩壊
② 水若しくは汚液の漏出
義務 必要な注意をしなければならない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

距離を守っていても、崩れたら困るもんね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そのとおり。距離は入口にすぎぬ。民法237条が守るべき線を引き、238条が工事のしかたを縛る。二段構えじゃな。

条文が挙げておるのは「土砂の崩壊」と「水若しくは汚液の漏出」の2つじゃ。掘った穴が招く典型的な災いを、名指しで並べておるのう。

第二款「相隣関係」を振り返る

民法209条から238条までの30か条を、テーマで並べ直すと次のようになります。

テーマ 条文
隣地の使用 民法209条
通行権 民法210条〜213条
継続的給付のための設備 民法213条の2・213条の3
水 民法214条〜222条
境界標 民法223条・224条
囲障 民法225条〜228条
境界線上の工作物 民法229条〜232条
竹木 民法233条
境界線付近の建築 民法234条〜236条
境界線付近の掘削 民法237条・民法238条

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

30か条を通して流れておるのは、たった一つの考え方じゃ。隣どうしは、少しずつ譲り、少しずつ助け合う。「してよい」と「損害は埋める」、「原則」と「慣習に譲る」——その組み合わせが繰り返されておったじゃろう。

次の民法239条からは、第二節「所有権の取得」に入るぞ。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

境界線の付近において民法237条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法238条がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

民法237条の定める距離を保っていれば、民法238条の注意義務は生じない。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法238条は「境界線の付近において前条の工事をするときは」と定めており、距離を保っていることと注意義務とは別の要求です。

司法試験正誤問題AI生成類題

民法238条が防止の対象として挙げているのは、土砂の崩壊と、水又は汚液の漏出である。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。条文はこの2つを明示しています。

一次情報を確認する