民法第315条・物権

民法第315条:不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲

賃借人の財産をすべて清算する場合には、前期・当期・次期の賃料等に絞られます。他の債権者との公平を図る条文です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

民法312条は「賃料その他の賃貸借関係から生じた債務」と広かったよね。何年ぶんの滞納でも優先されるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこを絞るのが民法315条じゃ。ただし場面が限られておる——そこが読みどころじゃぞ。

条文の内容

賃借人の財産のすべてを清算する場合には、賃貸人の先取特権は、前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する。

要素 条文の言葉
場面 賃借人の財産のすべてを清算する場合
賃料等 前期・当期・次期の賃料その他の債務
損害賠償 前期及び当期に生じた損害の賠償債務

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

賃料は3期ぶん、損害賠償は2期ぶん。数が違う!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よう見たのう。賃料等は「前期・当期・次期」の3つ、損害賠償は「前期及び当期」の2つ。次期の損害賠償は入っておらぬ。

当然といえば当然じゃ。まだ起きておらぬ損害を先取りはできぬからのう。一方、賃料は次期のぶんも発生が見込める。条文の数の違いには、必ず理由がある。

「賃借人の財産のすべてを清算する場合」

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

この限定が付いているんだね。ふだんは民法312条のまま広いんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが肝心じゃ。清算の場面でだけ絞られる、と条文は書いておる。

なぜか。清算はすべての債権者で財産を分け合う場面じゃからのう。賃貸人が何年ぶんもの滞納を優先的に持っていけば、他の債権者の取り分がほとんど残らぬ。限られたパイを分けるときの公平を図る規定と読める。

民法307条2項が「すべての債権者に有益でなかったもの」を絞っておったのと、同じ発想じゃな。

敷金がある場合

民法316条は、次のように定めます。

賃貸人は、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

敷金で埋まる分は、先取特権の出番がない。すでに担保を持っておるのじゃからのう。312条で広げ、315条で清算時に絞り、316条で敷金の分を差し引く——三段構えで範囲が定まるのじゃ。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

賃借人の財産のすべてを清算する場合には、賃貸人の先取特権は、前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する。

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解答:◯

正しい記述です。民法315条がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

民法315条により、損害の賠償債務についても前期、当期及び次期の3期分について先取特権が存在する。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。条文は損害の賠償債務については「前期及び当期に生じた」ものとしており、次期は含まれていません。

司法試験正誤問題AI生成類題

賃貸人が民法622条の2第1項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法316条がそのとおり定めています。

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