民法第424条の3・債権
民法第424条の3:特定の債権者に対する担保の供与等の特則
既存債務の担保供与や弁済は、支払不能時かつ通謀の意図があるときに限り取り消せます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
苦しくなった債務者が、ひとりの債権者にだけ払ったら? 他の債権者は取り消せる?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法424条の3じゃ。支払不能と通謀——2つがそろってはじめて取り消せる。弁済は本来正しい行為じゃからのう、簡単には覆せぬ。
1項:原則の2要件
債務者がした既存の債務についての担保の供与又は債務の消滅に関する行為について、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、詐害行為取消請求をすることができる。
| # | 要件 |
|---|---|
| 一 | その行為が、債務者が**支払不能支払不能債務者が支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき一般的かつ継続的に弁済することができない状態(民法424条の3第1項1号)。用語ページを見る →**(債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)の時に行われたものであること |
| 二 | その行為が、債務者と受益者受益者詐害行為によって利益を受けた者のこと(民法424条1項ただし書)。その行為の時に債権者を害することを知らなかったときは、取消請求を受けません。用語ページを見る →とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「支払不能」の意味まで条文が書いてる!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
かっこ書きの定義じゃな。支払能力を欠くこと、弁済期にある債務につき、一般的かつ継続的に弁済できぬこと——3つの要素がそろって支払不能じゃ。
一時的に金が足りぬ、というだけでは足りぬということじゃな。
2項:義務に属しない場合
前項に規定する行為が、債務者の義務に属せず、又はその時期が債務者の義務に属しないものである場合において、次に掲げる要件のいずれにも該当するときは、債権者は、同項の規定にかかわらず、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。
| # | 要件 |
|---|---|
| 一 | その行為が、債務者が支払不能になる前30日以内に行われたものであること |
| 二 | その行為が、債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「支払不能になる前30日以内」! まだ支払不能じゃない時期も入るんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが2項の眼目じゃ。
1項は「支払不能の時」、2項は「支払不能になる前30日以内」——時期が前倒しされておる。
そのかわり2項は場面を限っておる。「債務者の義務に属せず、又はその時期が債務者の義務に属しない」——つまりやらなくてよいことをした、あるいは早すぎた場合じゃな。義務でないことをするなら、より早い時期から警戒されるという理屈じゃ。
1項と2項を並べる
| 1項 | 2項 | |
|---|---|---|
| 場面 | 義務に属する行為も含む | 義務に属しない又は時期が義務に属しない |
| 時期 | 支払不能の時 | 支払不能になる前30日以内 |
| 通謀 | 必要 | 必要 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
通謀は両方に必要じゃ。ここは共通じゃな。
「通謀して他の債権者を害する意図をもって」——民法424条1項の「債権者を害することを知って」より、はるかに重い要件じゃ。知っているだけでは足りず、示し合わせたことを求めておる。
なぜ厳しくするのか
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どうして弁済だけ特別扱いなんだろう。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
弁済は、本来なすべき正しい行為じゃからのう。払うべきものを払っただけで取り消されては、取引が成り立たぬ。
民法424条の2が「相当の対価を得た処分」を絞ったのと同じ発想じゃ。財産を不当に減らしたとはいえぬ行為については、取り消せる場合を厳しく限る——3つの特則に共通する構えじゃな。
資格別の演習
債務者がした既存の債務についての担保の供与又は債務の消滅に関する行為は、支払不能の時に行われ、かつ債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたときに限り、詐害行為取消請求をすることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法424条の3第1項がそのとおり定めています。
民法424条の3にいう支払不能とは、債務者が支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法424条の3第1項1号のかっこ書きがそのとおり定義しています。
債務者の義務に属しない担保の供与については、支払不能になる前30日以内に行われ、かつ通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたときは、詐害行為取消請求をすることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法424条の3第2項がそのとおり定めています。