民法第1013条・相続
民法第1013条:遺言の執行の妨害行為の禁止
遺言執行者があるときは、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができません。違反行為は無効ですが、善意の第三者に対抗することができません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
相続人が勝手に売ってしまったら?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法1013条じゃ。 1項で禁じ、2項で無効とし、ただし書で第三者を守る——三段構えじゃ。
条文
1 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
2 前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
3 前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 遺言執行者遺言執行者遺言の内容を実現する者のこと。遺言による推定相続人の廃除の請求は、遺言執行者がします(民法893条)。用語ページを見る →があるとき、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない |
| 2項 本文 | 違反してした行為は**無効無効はじめから法律効果が生じないこと。取消しと違い、誰かが主張しなくても効力はありません。用語ページを見る →** |
| 2項 ただし書 | 善意の第三者に対抗することができない |
| 3項 | 相続人の債権者(相続債権者相続債権者相続財産に属する債務の債権者のこと(民法927条1項括弧書き)。相続人自身の債権者と区別されます。用語ページを見る →を含む)が相続財産について権利を行使することを妨げない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
無効なのに、対抗できないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
2項ただし書がそう書いておる。 相続人と取引した善意善意ある特定の事情や事実を『知らない』こと。道徳的な善悪とは関係ありません。用語ページを見る →の第三者に対しては、無効を主張できぬ。
無効を知らずに買った者を巻き込まぬための線引きと読める。
3項も大事じゃ。 債権者の差押えなどは妨げられぬ。 1項・2項は相続人の行為に向けられた規定じゃからのう。
なお、民法1014条1項により、遺言が特定の財産に関する場合には、1013条はその財産についてのみ適用される。
資格別の演習
遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法1013条1項がそのとおり定めています。
民法1013条1項に違反してした行為は無効であるが、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法1013条2項がそのとおり定めています。
民法1013条1項及び2項により、相続人の債権者は相続財産についてその権利を行使することができない。
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解答:×
誤りです。民法1013条3項は、相続人の債権者(相続債権者を含む)が相続財産についてその権利を行使することを妨げないと定めています。