民法第308条の2・物権
民法第308条の2:子の監護費用の先取特権
養育費などの定期金債権に先取特権を認める規定です。枝番が示すとおり、後から加えられた新しい条文です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
養育費を払ってもらえない、という話をよく聞くよ。法律は何かしてくれないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法308条の2じゃ。子の監護の費用に一般の先取特権一般の先取特権債務者の総財産について成立する先取特権(民法306条)。共益の費用・雇用関係・子の監護の費用・葬式の費用・日用品の供給の5つの原因によって生じます。用語ページを見る →を与える。枝番が付いておるとおり、後から加えられた条文でな。民法306条3号に対応しておる。
条文の内容
子の監護の費用の先取特権は、次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権の各期における定期金のうち子の監護に要する費用として相当な額(子の監護に要する標準的な費用その他の事情を勘案して当該定期金により扶養を受けるべき子の数に応じて法務省令で定めるところにより算定した額)について存在する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 確定期限の定めのある定期金債権の各期における定期金 |
| 範囲 | そのうち子の監護に要する費用として相当な額 |
| 算定 | 標準的な費用その他の事情を勘案し、子の数に応じて法務省令で定めるところにより算定した額 |
4つの義務
条文が挙げるのは、次の義務に係る債権です。
| 号 | 義務 |
|---|---|
| 一号 | 民法752条による夫婦間の協力及び扶助の義務 |
| 二号 | 民法760条による婚姻から生ずる費用の分担の義務 |
| 三号 | 民法766条及び民法766条の3(民法749条・771条・788条において準用する場合を含む)による子の監護に関する義務 |
| 四号 | 民法877条から民法880条までによる扶養の義務 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
親族編の条文がずらりと並んでる!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこがこの条文の特徴じゃ。物権編の条文が、第四編「親族」の義務を名指しで引いておる。家族の扶養と、担保物権が結びついておるのじゃな。
そして「確定期限の定めのある定期金債権」に限られておる。毎月いくら、と決まっておる債権が対象、と読める。
「相当な額」の算定
条文は括弧書きで、算定の方法を法務省令に委ねています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法が金額の計算まで自分で書くことは珍しい。じゃからこそ、細かい算定は省令に譲ったのじゃな。条文が「法務省令で定めるところにより」と書いておるときは、そこに実際のものさしがあると覚えておくとよい。
一般の先取特権のなかでの位置
| 順位 | 原因 | 条文 |
|---|---|---|
| 1 | 共益の費用共益の費用各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存・清算・配当に関する費用(民法307条1項)。一般の先取特権のなかで第1順位に置かれます。用語ページを見る → | 民法307条 |
| 2 | 雇用関係 | 民法308条 |
| 3 | 子の監護の費用 | 民法308条の2 |
| 4 | 葬式の費用 | 民法309条 |
| 5 | 日用品の供給 | 民法310条 |
資格別の演習
子の監護の費用の先取特権は、一定の義務に係る確定期限の定めのある定期金債権の各期における定期金のうち、子の監護に要する費用として相当な額について存在する。
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解答:◯
正しい記述です。民法308条の2がそのとおり定めています。
民法308条の2が対象とする義務には、民法760条による婚姻から生ずる費用の分担の義務が含まれる。
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解答:◯
正しい記述です。民法308条の2第2号がこれを挙げています。ほかに夫婦間の協力扶助義務(1号)、子の監護に関する義務(3号)、扶養義務(4号)が挙げられています。
民法308条の2の「相当な額」は、法務省令で定めるところにより算定される。
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解答:◯
正しい記述です。条文の括弧書きが「法務省令で定めるところにより算定した額」としています。