民法第204条・物権
民法第204条:代理占有権の消滅事由
人に持たせている場合の占有権は、3つの事由で消えます。そして2項——「代理権の消滅のみによっては、消滅しない」。占有と代理は別物だという宣言です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
貸している物の占有権は、どうなったら消えるの? 物は自分の手元にないのに。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
代理占有代理占有他人(占有代理人)に物を所持させることで、本人が占有権を持つこと(民法181条)。賃借人に貸している間も、賃貸人は占有権を失いません。用語ページを見る →の消滅を定めるのが民法204条じゃ。3つの事由が並んでおるゆえ、ひとつずつ見ていこうかのう。
1項:3つの消滅事由
代理人によって占有をする場合には、占有権は、次に掲げる事由によって消滅する。 一 本人が代理人に占有をさせる意思を放棄したこと。 二 代理人が本人に対して以後自己又は第三者のために占有物を所持する意思を表示したこと。 三 代理人が占有物の所持を失ったこと。
| 号 | 誰の側の事情か | 内容 |
|---|---|---|
| 一号 | 本人 | 代理人に占有をさせる意思を放棄 |
| 二号 | 代理人 | 以後自己又は第三者のために所持する意思を表示 |
| 三号 | 代理人 | 占有物の所持を失う |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
二号って、民法183条の占有改定占有改定代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示することで、本人が占有権を取得すること(民法183条)。物は動かないまま占有だけが移ります。用語ページを見る →とそっくりだね。向きが逆だけど。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう見つけたのう。183条は「以後本人のために占有する意思を表示」して本人の占有を作る。204条1項二号は「以後自己又は第三者のために所持する意思を表示」して本人の占有を終わらせる。同じ道具の裏表じゃ。
それと、二号も民法185条と同じく「表示」を求めておる。内心で思うだけでは足りぬ、という構えが共通しておるのう。
2項:代理権の消滅では消えない
占有権は、代理権の消滅のみによっては、消滅しない。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
代理権がなくなっても、占有権は残るんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ここが民法181条で触れた話じゃな。占有の「代理人」は、民法99条の代理権代理権本人に代わって法律行為をし、その効果を本人に生じさせることができる権限のこと。用語ページを見る →を持つ代理人とは別物じゃ。現に物を持っておるという事実が、代理権の有無で消えるはずもなかろう。
1項に並ぶ3つを見よ。いずれも占有という事実に関わる事情じゃ。2項は、その筋を「代理権の消滅は関係ない」と裏から言い切っておるのじゃよ。
民法203条との対照
| 民法203条(自己占有) | 民法204条(代理占有) | |
|---|---|---|
| 意思の面 | 占有の意思の放棄 | 一号:本人が占有をさせる意思を放棄 二号:代理人の意思の表示 |
| 事実の面 | 所持を失う | 三号:代理人が所持を失う |
| 特則 | 占有回収の訴えを提起したとき(ただし書) | 代理権の消滅のみでは消滅しない(2項) |
資格別の演習
代理人によって占有をする場合、本人が代理人に占有をさせる意思を放棄したときは、占有権は消滅する。
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解答:◯
正しい記述です。民法204条1項1号がそのとおり定めています。
代理占有において、代理権が消滅したときは、本人の占有権も消滅する。
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解答:×
誤りです。民法204条2項は「占有権は、代理権の消滅のみによっては、消滅しない」と明示しています。
代理人が本人に対して以後自己又は第三者のために占有物を所持する意思を表示したときは、本人の占有権は消滅する。
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解答:◯
正しい記述です。民法204条1項2号がそのとおり定めています。民法183条の占有改定と対をなす規定です。