民法第973条・相続
民法第973条:成年被後見人の遺言
成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時に遺言をするには、医師2人以上の立会いが必要です。立ち会った医師は能力を欠く状態になかった旨を付記して署名押印します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
成年被後見人でも遺言できるんだったよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法962条が9条を外しておる。 だが無条件ではない。 973条が医師を立ち会わせるのじゃ。
条文
1 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。
2 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 成年被後見人成年被後見人後見開始の審判を受けた人のこと(民法8条)。その法律行為は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除いて取り消すことができます。用語ページを見る →が事理を弁識する能力を一時回復した時 → 医師二人以上の立会い |
| 2項 本文 | 立ち会った医師は能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して署名・押印 |
| 2項 ただし書 | 秘密証書遺言秘密証書遺言内容を秘密にしたまま、封書を公証人及び証人に提出して自己の遺言書であることを申述してする遺言のこと(民法970条)。用語ページを見る →では封紙にその旨を記載し署名・押印 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
医師が「その時は大丈夫だった」と書き残すんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法963条が「遺言をする時」の能力を求めておったのう。 973条2項は、その時点の状態を記録させる条文と読める。
ただし書に注意じゃ。 秘密証書は中身を見せぬ遺言じゃ。 遺言書に付記させれば中身が知れてしまう。 ゆえに封紙に書かせるのじゃな。
1項の「一時回復した時」という言葉も効いておる。 回復しておらぬ間は、そもそも遺言ができぬ書きぶりじゃ。
なお、被保佐人被保佐人事理を弁識する能力が著しく不十分だとして、保佐開始の審判を受けた人(民法12条)。民法13条1項が列挙する重要な行為をするには、保佐人の同意が必要です。用語ページを見る →や被補助人被補助人事理を弁識する能力が不十分だとして、補助開始の審判を受けた人(民法16条)。同意が必要になるのは、審判で個別に定められた特定の法律行為だけです。用語ページを見る →にはこの条文は及ばぬぞ。
資格別の演習
成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師2人以上の立会いがなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法973条1項がそのとおり定めています。
秘密証書による遺言の場合、立ち会った医師は、その封紙に民法973条2項本文の旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。
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解答:◯
正しい記述です。民法973条2項ただし書がそのとおり定めています。
被保佐人が遺言をするには、医師2人以上の立会いがなければならない。
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解答:×
誤りです。民法973条1項は成年被後見人について定めるものであり、被保佐人には及びません。