民法第802条・親族
民法第802条:縁組の無効
縁組が無効となるのは、当事者間に縁組をする意思がないときと、当事者が縁組の届出をしないときの2つの場合に限られます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
節税のためだけの養子縁組って、無効にならないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ほう、鋭い問いじゃ。 その点を正面から判断した最高裁がある。 まず条文からじゃ。
条文
縁組は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一 人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思がないとき。
二 当事者が縁組の届出をしないとき。ただし、その届出が第七百九十九条において準用する第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、縁組は、そのためにその効力を妨げられない。
| 号 | 無効となる場合 |
|---|---|
| 1号 | 人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思縁組をする意思養子縁組の当事者に求められる意思のこと。これが無いときは縁組が無効となります(民法802条1号)。用語ページを見る →がないとき |
| 2号本文 | 当事者が縁組の届出をしないとき |
| 2号ただし書 | 民法739条2項の方式を欠くだけであるときは効力を妨げられない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
民法742条の婚姻の無効と、そっくりだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
並べてみるとよい。 「次に掲げる場合に限り」も、二つの号の構えも同じじゃ。
要件を欠く縁組は無効無効はじめから法律効果が生じないこと。取消しと違い、誰かが主張しなくても効力はありません。用語ページを見る →ではなく取消し取消し一応有効に成立した法律行為を、取消権者の主張によってはじめにさかのぼって無効とすること。用語ページを見る →——民法803条以下がそれを受けておる。
判例①——節税目的の養子縁組
最判平成29年1月31日(民集第71巻1号48頁/平成28(受)1255)は、 専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、 直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできないと判断しました。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
要旨の言葉は「直ちに……当たるとすることはできない」じゃ。
常に有効だ、とは書かれておらぬ。 目的が節税であることだけを理由に無効とはできぬ——そこまでが要旨じゃな。
判例②——包括受遺者の訴えの利益
最判平成31年3月5日(集民第261号75頁/平成30(受)1197)は、 養子縁組の無効の訴えを提起する者は、養親の相続財産全部の包括遺贈を受けたことから 直ちに当該訴えにつき法律上の利益を有するとはいえないと判断しました。
資格別の演習
縁組は、人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思がないときは無効である。
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解答:◯
正しい記述です。民法802条1号がそのとおり定めています。
縁組の届出が民法739条2項に定める方式を欠くだけであるときは、縁組はそのためにその効力を妨げられない。
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解答:◯
正しい記述です。民法802条2号ただし書がそのとおり定めています。
専ら相続税の節税のために養子縁組をした場合、その縁組は民法802条1号により当然に無効となるとするのが判例である。
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解答:×
誤りです。最判平成29年1月31日は、専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても直ちに民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできないとしました。
養親の相続財産全部の包括遺贈を受けた者は、そのことから直ちに養子縁組の無効の訴えにつき法律上の利益を有するとするのが判例である。
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解答:×
誤りです。最判平成31年3月5日は、包括遺贈を受けたことから直ちに法律上の利益を有するとはいえないとしました。