民法第401条・債権
民法第401条:種類債権
品質を定められないときは中等の品質。給付に必要な行為の完了か指定で、目的物が特定します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「お米10キロ」みたいな注文だと、どのお米か決まってないよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それが**種類債権種類債権債権の目的物を種類のみで指定した債権のこと(民法401条1項)。品質を定めることができないときは中等の品質を有する物を給付します。用語ページを見る →じゃ。民法401条は品質と特定**の2つを定めておる。特定物特定物当事者がその物の個性に着目して指定した物のこと。中古の一軒家や絵画など、代わりのきかない物です。引渡しまで善良な管理者の注意をもって保存する義務が生じます(民法400条)。用語ページを見る →との違いが浮き彫りになるぞ。
1項:中等の品質
債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 目的物を種類のみで指定し、法律行為の性質又は当事者の意思によって品質を定めることができないとき |
| 効果 | 債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
最上でも最下でもなく「中等」なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よくできた落としどころじゃな。債務者に最上を求めるのは酷、最下で足りるとするのは債権者に酷。真ん中を採る。
ただしこの規定が働くのは、品質を定めることができないときだけじゃ。契約や当事者の意思から品質が読み取れるなら、そちらが先じゃぞ。
2項:特定
前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。
| # | 種類債権の特定種類債権の特定債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得て給付すべき物を指定することで、以後その物が債権の目的物となること(民法401条2項)。用語ページを見る →の要件 |
|---|---|
| ① | 債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了した |
| ② | 債権者の同意を得てその給付すべき物を指定した |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
特定したらどうなるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は「以後その物を債権の目的物とする」とだけ書いておる。
そのとおり読めば、以後は民法400条の世界に入るということじゃ。特定物の引渡しとして、善管注意義務が働く——条文どうしのつながりから、そう読める。
「必要な行為を完了」といえない事例
最高裁は、漁業用タールの売買について次のように判断しました。
漁業用タールの売買において、受渡の方法を、先ず買主が必要の都度引渡方を申し出で、これに対して売主が引渡場所を指定し、次いで買主が容器をその場所に持ち込み、タールを受領する旨約定した場合に売主が引渡場所を指定し、タールの引渡作業に必要な人夫を配置する等引渡の準備をなしたからと云つて、売主は「物ノ給付ヲ為スニ必要ナル行為ヲ完了シ」たことにはならない。 (最判昭和30年10月18日・民集第9巻11号1642頁)
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
場所を決めて人も配置したのに、まだ足りないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
要旨は「引渡しの準備をなしたからと云つて」完了にはならぬと述べておる。この事案では買主が容器を持ち込んで受領するという約定じゃったからのう。
どういう受渡しの約定かによって、何をすれば「完了」かが変わる——そう読める判断じゃ。
積出港に集めただけでは特定しない
売主がb港において売買の目的物たる木材を引き渡すべき義務を負担する種類売買においては、木材が積出港たるa港の土場に集積されたからといつて、売買の目的物が右木材に特定されたものということはできない。 (最判昭和47年5月25日・集民第106号107頁)
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
こちらも同じ筋じゃ。引き渡すべき場所はb港なのじゃから、a港に集めただけでは足りぬ。
2つの判例に共通するのは、約定された引渡しの姿から逆算して「完了」を判断しておるという点じゃな。
資格別の演習
債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は中等の品質を有する物を給付しなければならない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法401条1項がそのとおり定めています。
債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法401条2項がそのとおり定めています。
売主がb港において目的物たる木材を引き渡すべき義務を負担する種類売買では、木材が積出港たるa港の土場に集積されても、売買の目的物が特定されたということはできない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。最判昭和47年5月25日(集民第106号107頁)の裁判要旨がそのとおり判示しています。
一次情報を確認する
- e-Gov法令検索:民法第401条
- 最判昭和30年10月18日(民集 第9巻11号1642頁)(昭和28(オ)1267)
- 最判昭和47年5月25日(集民 第106号107頁)(昭和44(オ)458)