民法第909条・相続
民法第909条:遺産の分割の効力
遺産の分割は相続開始の時にさかのぼって効力を生じます。ただし第三者の権利を害することはできません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
分割が終わったら、いつから自分のものになるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
相続開始の時じゃ。 民法909条本文——さかのぼる。
条文
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
| 部分 | 内容 |
|---|---|
| 本文 | 遺産の分割遺産の分割共有となっている相続財産を各相続人に分ける手続のこと。相続開始の時にさかのぼって効力を生じます(民法909条本文)。用語ページを見る →は相続開始の時にさかのぼって効力を生ずる |
| ただし書 | 第三者第三者契約の当事者以外の人のこと。民法177条では「登記がないことを主張する正当な利益を有する者」に限られます。用語ページを見る →の権利を害することはできない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
分割までの共有は、なかったことになるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文はさかのぼると書いておる。 民法898条1項の共有共有一つの物を複数人で所有すること。各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用ができます(民法249条1項)。用語ページを見る →を経ずに直接承継したかのように扱う、と読める。
ただし書が守るのは、その間に権利を得た第三者じゃ。
もっとも、民法899条の2第1項も忘れるでない。 法定相続分を超える部分は、対抗要件対抗要件当事者間で成立した権利関係を、第三者に対して『自分が権利者だ』と主張するために必要な要件(不動産における登記など)。用語ページを見る →を備えねば第三者に対抗できぬ。
判例——遺産分割協議と541条の解除
最判平成元年2月9日(民集第43巻2号1頁/昭和59(オ)717)は、 共同相続人間において遺産分割協議が成立した場合に、 相続人の一人がその協議において負担した債務を履行しないときであっても、 その債権を有する相続人は、民法541条によってその協議を解除することができないと判断しました。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
解除を認めれば、いったん確定した分割がひっくり返るからのう。
要旨が言うておるのは、541条による解除ができぬということまでじゃ。
資格別の演習
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。
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解答:◯
正しい記述です。民法909条本文がそのとおり定めています。
遺産の分割の遡及効によって、第三者の権利を害することはできない。
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解答:◯
正しい記述です。民法909条ただし書がそのとおり定めています。
遺産分割協議において負担した債務を相続人の一人が履行しないときは、他の相続人は民法541条によりその協議を解除することができるとするのが判例である。
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解答:×
誤りです。最判平成元年2月9日は、民法541条によって遺産分割協議を解除することはできないとしました。