民法第520条の14・債権
民法第520条の14:記名式所持人払証券の所持人の権利の推定
記名式所持人払証券の所持人は、それだけで証券上の権利を適法に有するものと推定されます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
こっちは何を証明すればいいの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
何も要らぬ。持っておればよい。 民法520条の14じゃ。指図証券より、さらに一段軽いぞ。
条文
記名式所持人払証券の所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 記名式所持人払証券記名式所持人払証券債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているもの(民法520条の13のかっこ書きによる定義)。譲渡は交付によってします。用語ページを見る →の所持人 |
| 効果 | 証券上の権利を適法に有するものと推定推定一応そうであるものとして扱い、争う側に反対の証明を求めること。「みなす」と違い、反証があれば覆ります。用語ページを見る →する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「裏書の連続により」がない!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
見事に見抜いたのう。 民法520条の4と比べよ。
| 指図証券(民法520条の4) | 記名式所持人払証券(民法520条の14) | |
|---|---|---|
| 推定の条件 | 裏書裏書証券上の権利を譲渡するために証券にする記載のこと。指図証券の譲渡には裏書と交付が必要です(民法520条の2)。方式は手形法の規定が準用されます(民法520条の3)。用語ページを見る →の連続により権利を証明するとき | 所持していること |
そもそも裏書が要らぬ証券じゃ(民法520条の13)。追うべき連続がないのじゃからのう。所持そのものが推定の根拠になる——筋が通っておる。
「推定する」であること
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ここも「みなす」ではないぞ。推定推定一応そうであるものとして扱い、争う側に反対の証明を求めること。「みなす」と違い、反証があれば覆ります。用語ページを見る →じゃ。
本当は権利者でないと証明されれば、推定は破れる。じゃが証明の重荷は相手にある——所持人は、持っておることを示せば足りる。
この条文が支えるもの
| 条文 | 内容 | この条文との関係 |
|---|---|---|
| 民法520条の14 | 権利の推定 | — |
| 民法520条の15 | 即時取得即時取得取引行為によって平穏・公然と動産の占有を始めた者が、善意無過失であれば即時にその動産の権利を取得すること(民法192条)。無権利者から買っても保護される制度です。用語ページを見る → | 「前条の規定によりその権利を証明するとき」が要件 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
指図証券のときと、同じ組み立てだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第二款は、第一款をなぞる形で並んでおるのじゃ。推定 → 善意取得 → 抗弁の制限 → 質入れ——同じ順序じゃな。
違うのは、譲渡の方法と推定の条件だけ。そこさえ押さえれば、あとは第一款の知識が使えるぞ。
資格別の演習
記名式所持人払証券の所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法520条の14がそのとおり定めています。
記名式所持人払証券の所持人は、裏書の連続によりその権利を証明したときに限り、証券上の権利を適法に有するものと推定される。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法520条の14は所持人であることのみを要件としています。裏書の連続を要件とするのは指図証券についての民法520条の4です。