民法第290条・物権
民法第290条:地役権の消滅時効の中断
承役地の時効取得による地役権の消滅は、地役権者が権利を行使すれば止まります。使い続けることが最大の防御です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
承役地承役地地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるもの(民法285条1項)。便益を与える側の土地です。用語ページを見る →が時効取得されると地役権地役権設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利(民法280条)。通行や引水のために設定されます。用語ページを見る →が消える(民法289条)……。それを防ぐ方法は?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法290条じゃ。使い続けること。それだけでよい。
条文の内容
前条の規定による地役権の消滅時効は、地役権者がその権利を行使することによって中断する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 前条(民法289条)の規定による地役権の消滅時効 |
| 中断の方法 | 地役権者がその権利を行使する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
裁判を起こしたりしなくていいんだ。ただ通るだけで。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は「その権利を行使することによって」としか書いておらぬ。通行地役権なら通ること、用水地役権なら水を引くこと——権利の中身どおりに使えばよい、と読める。
地役権は、そもそも「継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるもの」でなければ時効取得できなかった(民法283条)。使い続けることが権利の本体、というのが地役権の姿じゃな。
「中断」という言葉
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「中断」って、時効の章では見なかった言葉だね。民法147条以下は「完成猶予完成猶予一定の事由がある間、時効が完成しないこと(民法147条以下)。それまで経過した期間はそのまま残る点で、振り出しに戻る更新と異なります。用語ページを見る →」と「更新更新時効が新たにその進行を始めること(民法147条2項・148条2項・152条1項)。それまで経過した期間はリセットされます。用語ページを見る →」だったのに。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
鋭いのう。じゃが民法290条の条文には「中断する」と書かれておる。これが現行法の文言じゃ。
条文が何と書いておるかを、そのまま覚えるのが第一じゃ。別の条文の用語で置き換えて覚えると、条文選択の問題で足をすくわれるぞ。
民法291条:消滅時効の起算点
第百六十六条第二項に規定する消滅時効の期間は、継続的でなく行使される地役権については最後の行使の時から起算し、継続的に行使される地役権についてはその行使を妨げる事実が生じた時から起算する。
| 地役権の種類 | 起算点 |
|---|---|
| 継続的でなく行使される地役権 | 最後の行使の時 |
| 継続的に行使される地役権 | その行使を妨げる事実が生じた時 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
こちらは民法166条2項の消滅時効消滅時効権利を行使しないまま一定期間が過ぎることで、その権利が消滅する時効のこと。債権は知った時から5年、行使できる時から10年です(民法166条1項)。用語ページを見る →についての特則じゃ。地役権の性質に応じて起算点を書き分けておる。289条・290条とあわせて、消滅の3か条として押さえるとよい。
資格別の演習
民法289条の規定による地役権の消滅時効は、地役権者がその権利を行使することによって中断する。
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解答:◯
正しい記述です。民法290条がそのとおり定めています。
継続的に行使される地役権について、民法166条2項に規定する消滅時効の期間は、その行使を妨げる事実が生じた時から起算する。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法291条がそのとおり定めています。継続的でなく行使される地役権については、最後の行使の時から起算します。
継続的でなく行使される地役権の消滅時効は、その行使を妨げる事実が生じた時から起算する。
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解答:×
誤りです。民法291条は、継続的でなく行使される地役権については「最後の行使の時から起算」するとしています。行使を妨げる事実が生じた時を起算点とするのは、継続的に行使される地役権です。