民法第85条・総則

民法第85条:物の定義

民法にいう「物」とは有体物である、と定めた一文です。第四章「物」の入口として、権利の対象となるものの範囲をここから組み立てていきます。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「物」って、日常でいう「もの」でしょ? わざわざ法律で決めなきゃいけないの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

それが要るのじゃよ。所有権は「物」の上に成り立つ。売買も引渡しも「物」を前提にしておる。どこまでが物なのかが揺らげば、そのすべてが揺らぐからのう。民法85条は、そこに一本の線を引いておる。

条文の内容

この法律において「物」とは、有体物をいう。

要素 内容
適用範囲 この法律において(=民法において)
定義される語 「物」
定義の内容 有体物有体物ゆうたいぶつ民法が「物」と呼ぶもの(民法85条)。条文は有体物それ自体の定義を置いておらず、形のある存在を指す語として使われています。用語ページを見る →をいう

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「この法律において」って、わざわざ書いてあるんだね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこも読み落としてはならぬ。民法での約束事だと断っておるのじゃ。他の法律が「物」という語をどう使うかは、その法律が決めることじゃからのう。

条文が書いていないこと

民法85条が定めているのは「物=有体物」だけです。有体物とは何かまでは、条文は定義していません。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

えっ、じゃあ「有体物」の中身はどこで決まるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

条文からは直ちには定まらぬ。ここで言えるのは、形のある存在を指す語が選ばれておるということまでじゃ。裏を返せば、債権のような権利それ自体は、この一文からは民法の「物」に含まれぬ、と読むことになる。

書かれておらぬところを、覚えた知識で埋めてはならぬぞ。条文が示す出発点を押さえ、そこから第四章の残りを読むのじゃ。

第四章「物」の全体像

民法85条を入口として、第四章は5か条で組み立てられています。

条文 内容
民法85条 物とは有体物をいう
民法86条 物を不動産不動産ふどうさん土地及びその定着物のこと(民法86条1項)。価値の高低ではなく、土地に定着しているかどうかで動産と区別されます。用語ページを見る →動産動産どうさん不動産以外の物のこと(民法86条2項)。条文が「すべて」としているため、有体物は不動産か動産のいずれかに必ず分類されます。用語ページを見る →に分ける
民法87条 主物主物しゅぶつ従物が附属させられている側の物のこと。民法87条2項により、主物を処分すると従物もこれに従います。用語ページを見る →従物従物じゅうぶつ物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物を附属させたときの、その附属させた物(民法87条1項)。主物の処分に従います(同条2項)。用語ページを見る →の関係
民法88条 天然果実天然果実てんねんかじつ物の用法に従い収取する産出物のこと(民法88条1項)。果物や作物のように、物そのものから生まれてくる実りを指します。用語ページを見る →法定果実法定果実ほうていかじつ物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物のこと(民法88条2項)。家賃や地代のようなお金も、民法では「果実」として扱われます。用語ページを見る →を定義する
民法89条 果実が誰のものになるかを決める

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

85条で「物とは何か」、86条で「どう分かれるか」、87条で「物どうしの結びつき」、88条・89条で「物が生むもの」——外側から内側へ、順に細かくなっていく並びじゃ。よくできておる。

「物」が土台になっている場面

条文 「物」が関わる形
民法206条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する
民法176条 物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる
民法177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、登記をしなければ第三者に対抗できない

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

所有権も、対抗要件の話も、ぜんぶ「物」の上に乗ってるんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そういうことじゃ。地味な一文に見えて、物権法ぜんぶの足場になっておるのが民法85条なのじゃよ。

資格別の演習

宅建正誤問題AI生成類題

民法において「物」とは、有体物をいう。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法85条が「この法律において『物』とは、有体物をいう」と定めています。「この法律において」と範囲を断っている点もあわせて確認してください。

行政書士正誤問題AI生成類題

民法85条は、「物」を有体物と定めたうえで、有体物の意義についても定義規定を置いている。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法85条は「この法律において『物』とは、有体物をいう」という一文のみで、有体物有体物ゆうたいぶつ民法が「物」と呼ぶもの(民法85条)。条文は有体物それ自体の定義を置いておらず、形のある存在を指す語として使われています。用語ページを見る →それ自体の定義は置いていません。

司法書士正誤問題AI生成類題

民法は、第四章「物」において、物の定義に続けて、不動産と動産の区別、主物と従物、果実に関する規定を置いている。

解答・解説を見る

解答:

正しい記述です。民法85条(物の定義)、86条(不動産及び動産)、87条(主物及び従物)、88条(天然果実及び法定果実)、89条(果実の帰属)の5か条で第四章が構成されています。

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