民法第436条・債権
民法第436条:連帯債務者に対する履行の請求
債権者は一人に対しても全員に対しても、全部又は一部の履行を請求できます。連帯債務の基本形です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
3人が連帯して300万円の債務を負ったら、ひとりに300万円請求できるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
できる。それが**連帯債務連帯債務目的が可分な債務について、法令の規定又は当事者の意思表示により数人が連帯して負担する債務(民法436条)。債権者は一人に全部の履行を請求できます。用語ページを見る →**じゃ。民法436条——債権者にとって、これ以上ないほど心強い制度じゃぞ。
条文の内容
債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
| # | 要件・効果 |
|---|---|
| 要件① | 債務の目的がその性質上可分であること |
| 要件② | 法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担すること |
| 効果 | 債権者は、一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求できる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「同時に若しくは順次に」——何度でも請求できるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが要じゃ。一人に請求して取れなければ、次の者へ。回数にも順序にも縛りがない。
民法427条の分割債務分割債務数人の債務者がある場合に、別段の意思表示がないとき、それぞれ等しい割合で分かれる債務のこと(民法427条)。用語ページを見る →なら、各人から自分の分しか取れぬ。連帯債務は、債権者にとって格段に強いのじゃ。
「法令の規定又は当事者の意思表示」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
連帯債務は当然には生じぬ。民法427条が原則を分割としておるからのう。
そして「法令の規定」による連帯もある。民法719条1項の共同不法行為は「各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」と定めておるぞ。
第四款の見取り図
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法436条 | 履行の請求(連帯債務の基本形) |
| 民法437条 | 一人についての無効・取消し |
| 民法438条 | 一人との間の**更改更改従前の債務に代えて新たな債務を発生させる契約。従前の債務は消滅します(民法513条)。連帯債務では全員のために債権が消滅します(民法438条)。用語ページを見る →** |
| 民法439条 | 一人による**相殺相殺互いに同種の債務を負う者の一方の意思表示により、対当額で双方の債務を消滅させること(民法505条)。用語ページを見る →**等 |
| 民法440条 | 一人との間の**混同混同同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属したときに、その他の物権が消滅すること(民法179条1項)。自分の物に自分の制限物権を残しておく意味がないためです。用語ページを見る →** |
| 民法441条 | 相対的効力の原則相対的効力の原則連帯債務者や連帯債権者の一人について生じた事由は、条文が定める場合を除き、他の者に効力を生じないという原則(民法441条・435条の2)。用語ページを見る → |
| 民法442条〜445条 | 求償権求償権他人のために出捐した者が、その負担すべき者に対して返還を求める権利のこと。物上保証人は、保証債務に関する規定に従い債務者に求償できます(民法351条)。用語ページを見る → |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
436条から441条までが「効力」で、442条からが「求償」なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
みごとな整理じゃ。対外的な関係と、内部の精算——連帯債務は必ずこの2つを分けて考えよ。
債権者に対しては全額の責任、仲間内では負担部分負担部分連帯債務者の間で内部的に定まる各自の分担の割合。求償の額を決める基準となります(民法442条1項)。用語ページを見る →だけ。この二重構造こそ連帯債務の本質じゃな。
請求は相対的効力
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ひとつ注意じゃ。一人に請求しても、他の連帯債務者には効力が及ばぬ。
民法441条本文は「第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない」——436条は除外に入っておらぬからのう。
改正前は履行の請求に絶対的効力があった。平成29年改正で改められた点じゃ。時効の完成猶予などに関わるゆえ、しっかり押さえよ。
資格別の演習
債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者はその連帯債務者の一人に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法436条がそのとおり定めています。
債権者は、同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法436条がそのとおり定めています。
連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対してもその効力を生ずる。
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解答:×
誤りです。民法441条本文が除外しているのは民法438条、439条1項及び440条であり、履行の請求は相対的効力にとどまります。