民法第712条・債権
民法第712条:責任能力
未成年者は、他人に損害を加えた場合でも、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは賠償の責任を負いません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
小さい子どもが物を壊したら、その子が賠償するの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
知能が備わっておらねば負わぬ。 民法712条——責任能力責任能力自己の行為の責任を弁識するに足りる知能のこと。これを備えていない者は、他人に損害を加えても賠償責任を負いません(民法712条・713条)。用語ページを見る →の規定じゃ。
条文
未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 未成年者 |
| 基準 | 自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったとき |
| 効果 | その行為について賠償の責任を負わない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
年齢で線を引いてないんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よく気づいたのう。 条文は「未成年者は」で始まるが、免責の基準は年齢ではなく知能じゃ。
未成年者未成年者18歳に達していない人のこと(民法4条の反対解釈)。法律行為をするには、原則として法定代理人の同意が必要です。用語ページを見る →であっても、その知能を備えておれば民法709条の責任を負う、と読める書きぶりじゃな。
民法4条の行為能力行為能力自分ひとりで確定的に有効な法律行為をすることができる資格のこと。年齢や審判によって画一的に決まる点が、行為ごとに判断される意思能力と違います。用語ページを見る →とも、民法3条の2の意思能力意思能力自分のした行為がどんな結果を生むかを判断できる能力のこと。これを欠いた状態でした法律行為は無効です(民法3条の2)。用語ページを見る →とも別物じゃぞ。 契約の場面の話ではないのじゃ。
責任を負わないなら、誰が負うのか
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
712条は「負わない」としか言うておらぬ。 被害者が泣き寝入りでは筋が通らぬのう。
そこで民法714条じゃ。 「前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において」と受けて、監督義務者監督義務者責任無能力者を監督する法定の義務を負う者のこと。義務を怠らなかったことなどを証明しない限り、責任無能力者が加えた損害を賠償します(民法714条1項)。用語ページを見る →に責任を向けておる。
712条・713条・714条は、三つで一組と読むのがよい。
資格別の演習
未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
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解答:◯
正しい記述です。民法712条がそのとおり定めています。
未成年者は、他人に損害を加えた場合には、その年齢を問わず常に賠償の責任を負わない。
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解答:×
誤りです。民法712条が責任を否定するのは、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときです。
民法712条は、未成年者が賠償の責任を負わない場合を年齢によって一律に定めている。
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解答:×
誤りです。民法712条は年齢による線引きをせず、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」の有無を基準としています。