民法第478条・債権

民法第478条:受領権者としての外観を有する者に対する弁済

受領権者らしい外観の者への弁済は、弁済者が善意かつ無過失であったときに限り効力を有します。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

債権者だと信じて払ったら、実は別人だった……。もう一度払わなきゃだめ?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

善意かつ無過失なら、その弁済は効力を持つ。 民法478条じゃ。取引の安全を支える大黒柱——判例の宝庫でもあるぞ。

条文

受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

用語 条文による定義
受領権者受領権者じゅりょうけんしゃ債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者(民法478条のかっこ書きによる定義)。用語ページを見る → 債権者、及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者
要件 条文の言葉
相手 受領権者以外の者であって、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するもの
主観 弁済をした者が**善意善意ぜんいある特定の事情や事実を『知らない』こと。道徳的な善悪とは関係ありません。用語ページを見る →であり、かつ、過失過失かしつ注意すれば気づけたのに、不注意で気づかなかったこと。『善意無過失』は「知らず、かつ不注意もなかった」状態を指します。用語ページを見る →がなかった**とき
効果 その効力を有する

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「かつ、過失がなかった」——善意だけじゃだめなんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

善意無過失じゃ。民法466条3項の「悪意又は重過失」より厳しい——軽い過失でも守られぬ。

払う側には確かめる責任がある——そういう線引きじゃな。

そして**「取引上の社会通念に照らして」**という言葉も見よ。外観があるかどうかは、当事者の思い込みではなく、取引の常識で測る——平成29年改正で明確になった書きぶりじゃ。

定期預金の期限前払戻し

最高裁は、定期預金の期限前払戻しについて次のように判断しました。

定期預金契約の締結に際し、当該預金の期限前払戻の場合における弁済の具体的内容が契約当事者の合意により確定されているときは、右預金の期限前の払戻であつても、民法第四七八条の適用をうける。 (最判昭和41年10月4日・民集第20巻8号1565頁)

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

期限前なのに「弁済」なの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

要旨の条件をよく読め。 「期限前払戻の場合における弁済の具体的内容が契約当事者の合意により確定されている」——この前提があってこそじゃ。

払戻しの中身があらかじめ決まっておるなら、それは弁済にほかならぬ。だから民法478条が働く——そう判示しておるのじゃな。

条件を落として「定期預金の期限前払戻しには常に478条が適用される」と覚えてはならぬ。 要旨の言葉ごと覚えよ。

契約者貸付への類推適用

最高裁は、生命保険の契約者貸付制度について次のように判断しました。

生命保険会社甲が、いわゆる契約者貸付制度に基づいて保険契約者乙の代理人と称する丙の申込みによる貸付けを実行した場合において、丙を乙の代理人と認定するにつき相当の注意義務を尽くしたときは、甲は、民法四七八条の類推適用により、乙に対し、右の貸付けの効力を主張することができる。 (最判平成9年4月24日・民集第51巻4号1991頁)

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

貸付けなのに、弁済の条文を使うの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「類推適用類推適用るいすいてきよう条文が直接あてはまらない場面でも、趣旨が同じだと考えられるときに、その条文を似た場面に及ぼして適用すること。条文の文言をそのまま使う「適用」とは区別されます。用語ページを見る →」と要旨が言うておるのう。 そのまま当てはめるのではなく、似た場面に引き伸ばすのじゃ。

そして要件も言い換えられておる。「相当の注意義務を尽くしたとき」——条文の「善意かつ無過失」に対応する言葉じゃな。

民法478条は、弁済の場面を超えて働く——この判例が示したのはそこじゃ。適用の広がりを覚えておくとよいぞ。

民法479条との関係

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

外観がなければ、民法479条の出番じゃ。 そちらは「債権者が利益を受けた限度」でしか効力を持たぬ——大きな差じゃな。

外観があり、かつ善意無過失なら全部有効。 そうでなければ利益を受けた限度だけ。 二か条を並べて押さえよ。

資格別の演習

宅建正誤問題AI生成類題

受領権者以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法478条がそのとおり定めています。

行政書士正誤問題AI生成類題

受領権者としての外観を有する者に対する弁済は、弁済をした者が善意であれば、過失があっても効力を有する。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法478条は「善意であり、かつ、過失がなかったときに限り」と定めており、無過失であることも必要です。

司法書士正誤問題判例(最判昭和41年10月4日)

定期預金契約の締結に際し、期限前払戻しの場合における弁済の具体的内容が契約当事者の合意により確定されているときは、期限前の払戻しであっても民法478条の適用を受ける。

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解答:◯

正しい記述です。最判昭和41年10月4日(民集第20巻8号1565頁)の裁判要旨がそのとおり判示しています。

司法試験正誤問題判例(最判平成9年4月24日)

生命保険会社が契約者貸付制度に基づいて保険契約者の代理人と称する者の申込みによる貸付けを実行した場合において、その者を代理人と認定するにつき相当の注意義務を尽くしたときは、民法478条の類推適用により保険契約者に対して貸付けの効力を主張することができる。

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解答:◯

正しい記述です。最判平成9年4月24日(民集第51巻4号1991頁)の裁判要旨がそのとおり判示しています。

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