民法第513条・債権

民法第513条:更改

従前の債務に代えて、給付内容の重要な変更・債務者の交替・債権者の交替のいずれかの新債務を生じさせる契約です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

借金の内容を変えたら、それは別の借金になるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

場合による。 それを決めるのが**更改更改こうかい従前の債務に代えて新たな債務を発生させる契約。従前の債務は消滅します(民法513条)。連帯債務では全員のために債権が消滅します(民法438条)。用語ページを見る →**——民法513条じゃ。三つの号のどれかに当たれば、従前の債務は消えるぞ。

条文

当事者が従前の債務に代えて、新たな債務であって次に掲げるものを発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によって消滅する。

一 従前の給付の内容について重要な変更をするもの 二 従前の債務者が第三者と交替するもの 三 従前の債権者が第三者と交替するもの

号 新たな債務
一 従前の給付の内容について重要な変更をするもの
二 従前の債務者が第三者と交替するもの
三 従前の債権者が第三者と交替するもの
効果 条文の言葉
従前の債務 更改によって消滅する

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

更改って、契約なんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「契約をしたとき」——条文がはっきり書いておるのう。一方的にはできぬ。

そして**「従前の債務に代えて」**——新旧が入れ替わるのじゃ。新しい債務が生まれ、古い債務が消える。同時に起きるのが更改の姿じゃな。

更改の重さ

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

債務が消えるってことは、担保も保証も消えちゃう?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

鋭いところに行き着いたのう。 付従性付従性ふじゅうせいある権利が他の権利にくっついて動く性質のこと。地役権は要役地の所有権とともに移転し、要役地から分離して譲り渡すことができません(民法281条)。用語ページを見る →により、主たる債務が消えれば担保も消える——それが原則じゃ。

だから民法518条が、担保を移す道を別に用意しておる。更改が重いからこそ、受け皿が要るのじゃな。

民法472条の免責的債務引受免責的債務引受めんせきてきさいむひきうけ引受人が債務者と同一の内容の債務を負担し、債務者が自己の債務を免れること(民法472条1項)。用語ページを見る →と比べよ。 あちらは債務の同一性が保たれ、担保も民法472条の4で移せる。 更改は債務そのものが入れ替わる——より根本的な組み換えじゃ。

「重要な変更」

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

一号の「重要な」って、どこまで?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

条文は基準を書いておらぬ。 軽い変更なら更改にならず、従前の債務が続く——そう読めるまでじゃ。

平成29年改正で、旧法の「債務の要素を変更する」という言い回しが「給付の内容について重要な変更をする」に改められた。 書きぶりが変わったことは、条文どうしを比べれば確かめられる。

更生計画による一部免除と更改

最高裁は、会社更生計画について次のように判断しました。

認可された更生計画において、更生債権についてその一部の免除及びその残額につき弁済期の猶予が定められ、特定の債権者の届け出た複数の更生債権について一括して債権額、免除額及び分割弁済額が表示されていても、右更生計画は、特段の事情のない限り、債務の要素を変更する更改にあたらず、右届出にかかる複数の更生債権は消滅しない。 (最判昭和58年1月25日・集民第138号51頁)

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

一部免除して分割払いにしても、更改じゃないんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

要旨は「特段の事情のない限り」と留保を置いたうえで、更改にあたらぬと述べておる。 だから複数の更生債権は消滅せぬ——それぞれが生き残るのじゃな。

なおこの要旨は「債務の要素を変更する更改」という言葉を使っておる。 改正前の民法513条1項の文言じゃ。 現行の条文は三つの号を掲げる形に改められておる——そこは条文を突き合わせて確かめよ。

免除と猶予を重ねても、それだけでは債務は入れ替わらぬ——この判断の芯は、そこにあると読める。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

当事者が従前の債務に代えて、従前の給付の内容について重要な変更をする新たな債務を発生させる契約をしたときは、従前の債務は更改によって消滅する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法513条一号がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

従前の債権者が第三者と交替する新たな債務を発生させる契約も、更改にあたる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法513条三号がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題判例(最判昭和58年1月25日)

認可された更生計画において更生債権の一部免除及び残額の弁済期の猶予が定められ、複数の更生債権について一括して債権額等が表示されていても、特段の事情のない限り更改にあたらず、届出にかかる複数の更生債権は消滅しない。

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解答:◯

正しい記述です。最判昭和58年1月25日(集民第138号51頁)の裁判要旨がそのとおり判示しています。

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