民法第538条・債権
民法第538条:第三者の権利の確定
第三者の権利が発生した後は当事者がこれを変更・消滅させられず、解除にも第三者の承諾が必要です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
受益の意思表示をした後で、AとBが「やっぱりやめよう」って言ったらどうなるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
できぬ。 民法538条じゃ。第三者の権利が発生した後は、当事者の手を離れる——そこを二つの項で固めておる。
条文
1 前条の規定により第三者の権利が発生した後は、当事者は、これを変更し、又は消滅させることができない。
2 前条の規定により第三者の権利が発生した後に、債務者がその第三者に対する債務を履行しない場合には、同条第一項の契約の相手方は、その第三者の承諾を得なければ、契約を解除することができない。
| 項 | 場面 | 帰結 |
|---|---|---|
| 1項 | 第三者の権利が発生した後 | 当事者は変更・消滅させることができない |
| 2項 | 発生後に債務者が債務を履行しない | 相手方は第三者の承諾を得なければ解除できない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
2項は、契約を守らない側がいるのに、解除まで縛られるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが読みどころじゃ。 解除解除有効に成立した契約を、解除権を持つ者の一方的な意思表示によってはじめからなかったことにすること。取消しと違い、契約が有効であることが前提です。用語ページを見る →をすれば、契約から生まれた第三者の権利も足場を失うのう。
不履行があったからといって、当事者だけの判断で第三者の権利を消してよいか——**条文の答えは「承諾を得よ」**じゃ。
1項が権利の内容を守り、2項が契約そのものの存続を守る——二段構えと読める。
「権利が発生した後」という時点
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
両項とも「前条の規定により第三者の権利が発生した後は」から始まる。 起点は受益の意思表示受益の意思表示第三者のためにする契約で、第三者が債務者に対して契約の利益を享受する意思を表示すること。この時に第三者の権利が発生します(民法537条3項)。用語ページを見る →じゃ。
裏を返せば、意思表示の前なら当事者は自由に変更・消滅させられる——そう読める書きぶりじゃな。
資格別の演習
第三者のためにする契約において第三者の権利が発生した後は、当事者はこれを変更し、又は消滅させることができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法538条1項がそのとおり定めています。
第三者の権利が発生した後に債務者が第三者に対する債務を履行しないときは、契約の相手方は第三者の承諾を得ることなく契約を解除することができる。
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解答:×
誤りです。民法538条2項は、その第三者の承諾を得なければ契約を解除することができないと定めています。
民法538条1項による制限は、第三者が受益の意思表示をして権利が発生した後に生じる。
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解答:◯
正しい記述です。民法538条1項は「前条の規定により第三者の権利が発生した後は」と定めており、その起点は民法537条3項の受益の意思表示です。