民法第360条・物権
民法第360条:不動産質権の存続期間
10年を超えることができません。それより長く定めても10年に切り縮められ、更新しても更新の時から10年までです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
不動産質は、質権者が使用収益できるんだよね(民法356条)。じゃあ、何十年も続けられるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それを封じるのが民法360条じゃ。10年——きっぱりした上限じゃぞ。
1項:10年を超えられない
不動産質権の存続期間は、十年を超えることができない。設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、十年とする。
| 内容 | |
|---|---|
| 上限 | 10年 |
| 超過の扱い | それより長く定めても、その期間は10年とする |
2項:更新できる、ただし10年まで
不動産質権の設定は、更新することができる。ただし、その存続期間は、更新の時から十年を超えることができない。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
民法278条(永小作権永小作権小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利(民法270条)。存続期間は20年以上50年以下とされます(民法278条1項)。用語ページを見る →)とそっくりだ! あっちは50年だったけど。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう結びつけたのう。同じ型で、数字だけが違う。
| 条文 | 権利 | 上限 |
|---|---|---|
| 民法268条2項 | 地上権地上権他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権(民法265条)。同じ「借りて使う」でも、債権である賃借権とは性質が異なります。用語ページを見る →(裁判所が定める) | 20年以上50年以下 |
| 民法278条 | 永小作権 | 50年 |
| 民法256条 | 共有物不分割の契約 | 5年 |
| 民法360条 | 不動産質 | 10年 |
いずれも**「更新できる、ただし更新の時から上限まで」**という2項の作りまで揃っておる。民法の定型じゃな。
なぜ10年と短いのか
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
永小作権は50年なのに、不動産質は10年。ずいぶん短いね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は理由を書いておらぬ。じゃが考えてみよ。不動産質は担保じゃ。永小作権のように、その土地で暮らしを立てる権利とは性質が違う。
そして所有者から見れば、自分の不動産を長く使えなくなる。担保のために10年も手放せば十分、とは言えような。
抵当権との違い
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
抵当権抵当権目的物の占有を移さずに設定できる担保物権(民法369条以下)。先取特権の効力については、その性質に反しない限り抵当権の規定が準用されます(民法341条)。用語ページを見る →には存続期間の制限がない。占有を移さぬからじゃ(民法369条1項)。所有者は使い続けられる。
不動産質は物を取り上げるから期間を切り、抵当権は取り上げぬから切らぬ——そう対比すると、なぜ抵当権のほうが広く使われるかも見えてこよう。
資格別の演習
不動産質権の存続期間は10年を超えることができず、設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は10年となる。
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解答:◯
正しい記述です。民法360条1項がそのとおり定めています。
不動産質権の設定は更新することができるが、その存続期間は更新の時から10年を超えることができない。
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解答:◯
正しい記述です。民法360条2項がそのとおり定めています。
不動産質権の存続期間を20年と定めた場合、その設定行為は無効となる。
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解答:×
誤りです。民法360条1項後段は「その期間は、十年とする」としており、期間が切り縮められるにとどまります。