民法第417条・債権
民法第417条:損害賠償の方法
別段の意思表示がないときは、金銭をもって額を定めます。金銭賠償の原則です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
損害を賠償するって、必ずお金? 「同じ物を持ってくる」じゃダメなの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法417条じゃ。金銭をもってその額を定める——ただし**「別段の意思表示がないときは」**という前置きがある。そこを見落とさぬようにな。
条文の内容
損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 前提 | 別段の意思表示がないとき |
| 方法 | 金銭をもってその額を定める |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「別段の意思表示」があれば、別の方法でもいいんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。417条は任意規定任意規定当事者が異なる合意をすればそちらが優先する規定。民法91条にいう「公の秩序に関しない規定」がこれにあたります。用語ページを見る →じゃな。当事者が決めればそれに従う。
そして民法421条が、まさにその場面を受けておる。「前条の規定は、当事者が金銭でないものを損害の賠償に充てるべき旨を予定した場合について準用する」——金銭以外の賠償を予定できることを、民法自身が認めておるのじゃ。
なぜ金銭が原則か
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は理由を書いておらぬ。じゃが金銭には共通の物差しがある——民法404条の法定利率法定利率別段の意思表示がないときに適用される利率。年3パーセントを出発点として、3年を一期として変動します(民法404条2項・3項)。用語ページを見る →も、民法419条の金銭債権金銭債権一定額の金銭の給付を目的とする債権のこと。債務者はその選択に従い各種の通貨で弁済できます(民法402条1項)。不履行の損害賠償には特則があります(民法419条)。用語ページを見る →の特則も、金銭がすべての価値を測れることを前提にしておる。
民法399条が「債権は、金銭に見積もることができないものであっても、その目的とすることができる」と定めておったのう。目的は金銭に限らぬが、賠償は金銭で——第三編の中で役割が分かれておるのじゃ。
不法行為にも準用
民法722条1項は「第四百十七条及び第四百十七条の二の規定は、不法行為による損害賠償について準用する」と定めます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
不法行為でも金銭賠償なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。債務不履行でも不法行為でも、賠償は金銭——民法の損害賠償はここで統一されておる。
民法417条の2の中間利息の控除中間利息の控除将来取得すべき利益の賠償額を定めるとき、その利益を取得すべき時までの利息相当額を差し引くこと。損害賠償請求権が生じた時点の法定利率によります(民法417条の2)。用語ページを見る →も一緒に準用されておるのう。賠償額をどう計算するかの基本ルールが、まとめて不法行為に流れ込んでおるのじゃ。
「額を定める」
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
細かいところじゃが、条文は「金銭をもってその額を定める」と書く。「金銭を支払う」ではない。
損害という目に見えぬものを、金額という形に置き換える——そういう作業を指した言葉じゃな。だからこそ、民法416条が範囲を、418条が過失相殺過失相殺債務の不履行や損害の発生・拡大について債権者に過失があったとき、裁判所がこれを考慮して損害賠償の責任及びその額を定めること(民法418条)。用語ページを見る →を、それぞれ定めておるのじゃ。
資格別の演習
損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
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解答:◯
正しい記述です。民法417条がそのとおり定めています。
損害賠償は、常に金銭をもってその額を定めなければならない。
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解答:×
誤りです。民法417条は「別段の意思表示がないときは」としており、当事者が別の方法を定めることを妨げません。民法421条もこれを前提としています。
民法417条及び417条の2の規定は、不法行為による損害賠償について準用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法722条1項がそのとおり定めています。