民法第287条・物権
民法第287条:承役地所有者の委棄
工作物の設置・修繕義務を負った承役地の所有者は、その土地の部分の所有権を地役権者に移すことで義務から解放されます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
通路の修繕義務(民法286条)が、ずっと付いて回るのはつらいなあ……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
抜け道が用意されておる。民法287条じゃ。その土地の部分を手放せばよい。
条文の内容
承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 誰が | 承役地承役地地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるもの(民法285条1項)。便益を与える側の土地です。用語ページを見る →の所有者 |
| いつ | いつでも |
| 何を | 地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転 |
| 効果 | 前条(民法286条)の義務を免れる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「放棄して……移転」って、不思議な言い方だね。捨てるの? 渡すの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は両方を書いておる。放棄したうえで地役権者に移す。ただ捨てるのではなく、行き先が定まっておるのじゃな。
民法255条の持分の放棄を思い出すとよい。あちらも「その持分持分共有者が共有物に対して有する権利の割合のこと。各共有者の持分は相等しいものと推定されます(民法250条)。用語ページを見る →は、他の共有者に帰属する」と、行き先が決まっておった。民法の放棄は、宙に浮かせぬのが常じゃ。
対象は「必要な土地の部分」
条文が挙げるのは「地役権に必要な土地の部分」です。承役地の全部ではありません。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
通路として使われておる帯状の部分だけ、ということじゃな。義務の重さと、手放す範囲が釣り合っておる。うまい作りじゃろう。
「いつでも」
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「いつでも」! 民法256条1項の分割請求と同じ言葉だ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう結びつけたのう。期限も条件も付かぬ、という宣言じゃ。義務を負い続けるか、土地の一部を手放すか——選ぶ自由は、常に承役地の所有者にある。
もっとも、民法286条の義務は「自己の費用で」負うものじゃった。負担が重いからこそ、出口も広く開けてあると読める。
資格別の演習
承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより民法286条の義務を免れることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法287条がそのとおり定めています。
民法287条により義務を免れるには、承役地の全部の所有権を放棄しなければならない。
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解答:×
誤りです。条文は「地役権に必要な土地の部分の所有権」としています。
民法287条により放棄された土地の部分の所有権は、地役権者に移転する。
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解答:◯
正しい記述です。条文は「所有権を放棄して地役権者に移転し」と、行き先を明示しています。