民法第441条・債権
民法第441条:連帯債務における相対的効力の原則
更改・相殺・混同を除き、一人について生じた事由は他の連帯債務者に効力を生じません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
連帯債務連帯債務目的が可分な債務について、法令の規定又は当事者の意思表示により数人が連帯して負担する債務(民法436条)。債権者は一人に全部の履行を請求できます。用語ページを見る →で「全員に効く」のは3つだけって聞いたけど、根拠はどこ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法441条じゃ。相対的効力の原則相対的効力の原則連帯債務者や連帯債権者の一人について生じた事由は、条文が定める場合を除き、他の者に効力を生じないという原則(民法441条・435条の2)。用語ページを見る →——連帯債務でいちばん試験に出る条文といってよかろう。
条文の内容
第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。
| 内容 | |
|---|---|
| 除外される場合 | 民法438条(更改更改従前の債務に代えて新たな債務を発生させる契約。従前の債務は消滅します(民法513条)。連帯債務では全員のために債権が消滅します(民法438条)。用語ページを見る →)・民法439条1項(相殺相殺互いに同種の債務を負う者の一方の意思表示により、対当額で双方の債務を消滅させること(民法505条)。用語ページを見る →)・民法440条(混同混同同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属したときに、その他の物権が消滅すること(民法179条1項)。自分の物に自分の制限物権を残しておく意味がないためです。用語ページを見る →) |
| 本文 | それ以外の事由は、他の連帯債務者に効力を生じない |
| ただし書 | 債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、その意思に従う |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
除外は3つだけ。じゃあ請求も、免除も、時効も、全部相対的なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。ここが平成29年改正の要じゃぞ。
改正で相対的効力になったもの
| 事由 | 改正前 | 現行法 |
|---|---|---|
| 履行の請求 | 絶対的効力 | 相対的効力 |
| 免除 | 絶対的効力 | 相対的効力 |
| 時効の完成 | 絶対的効力 | 相対的効力 |
| 更改・相殺・混同 | 絶対的効力 | 絶対的効力(変わらず) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
3つも相対的効力に変わったんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
連帯債務の学習でいちばん危ない箇所じゃ。改正前の教材や、改正前の判例をそのまま覚えておると、必ず間違える。
とくに履行の請求じゃ。一人に請求しても、他の債務者について時効の完成猶予は生じぬ——実務でも大きな違いじゃな。
免除・時効と求償権
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
免除が相対的効力なら、免除された人には求償できないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい問いじゃ。民法445条が答えておる。
「連帯債務者の一人に対して債務の免除がされ、又は連帯債務者の一人のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、第四百四十二条第一項の求償権を行使することができる」——求償はできるのじゃ。
債権者に対する責任は免れても、仲間内の精算は残る。対外関係と内部関係を分けて考えよという、第四款の基本がここにも現れておるのう。
ただし書の当事者
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ただし書は「債権者及び他の連帯債務者の一人」が別段の意思を表示したとき、とする。
事由が生じた本人ではない。効力を及ぼされる側の債務者と、債権者の合意じゃ。
民法435条の2ただし書も同じ構えじゃった。不利益を受ける者が自ら同意する——民法の一貫した配慮じゃな。
資格別の演習
民法438条、439条1項及び440条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。
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解答:◯
正しい記述です。民法441条本文がそのとおり定めています。
連帯債務者の一人について時効が完成したときは、他の連帯債務者もその負担部分について債務を免れる。
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解答:×
誤りです。時効の完成は民法441条の除外に含まれておらず、相対的効力にとどまります。
連帯債務者の一人に対して債務の免除がされた場合においても、他の連帯債務者はその一人の連帯債務者に対し、民法442条1項の求償権を行使することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法445条がそのとおり定めています。
債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力はその意思に従う。
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解答:◯
正しい記述です。民法441条ただし書がそのとおり定めています。