民法第152条・総則
民法第152条:承認による時効の更新
権利の承認があると、時効はその時から新たに進行を始めます。承認をするのに処分の権限や行為能力の制限がないことは必要ないという2項が要点です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
借りている側が「確かに借りています」と認めたら、時効はどうなるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
振り出しに戻る。民法152条1項が「その時から新たにその進行を始める」と定めておる。更新更新時効が新たにその進行を始めること(民法147条2項・148条2項・152条1項)。それまで経過した期間はリセットされます。用語ページを見る →じゃな。しかも債権者が何もせずとも起きる、変わった更新事由じゃ。
1項:承認は更新事由
時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 事由 | 権利の承認があったとき |
| 効果 | 時効は、その時から新たにその進行を始める |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
裁判もしていないのに更新されるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが152条の特色じゃ。民法147条・148条の更新は、裁判所や執行機関を通した手続が要る。じゃが承認は、義務を負う側が自ら認めるだけでよい。
考えてみれば当然でな。時効は「権利の上に眠る者」や「長く続いた事実状態」を扱う制度じゃ。当の本人が権利の存在を認めておるのなら、そこまで積み上げた年月に意味は無い——そういう筋じゃな。
2項:承認に処分の権限は要らない
前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 承認をするのに要しないもの① | 相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと |
| 承認をするのに要しないもの② | 相手方の権利についての処分につき権限があること |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ややこしい言い回し……。つまり、処分できるほどの立場じゃなくても承認できるってこと?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文の言葉に沿えばそうなる。承認は、権利を処分する行為ではないからのう。「あなたの権利がある」と認めるだけで、何かを与えたり手放したりするわけではない。
だから処分の権限は要らぬし、処分について行為能力の制限を受けていないことも求められぬ。認めるだけなら、そこまでの資格は要らぬという整理じゃ。
更新事由を並べる
| 条文 | 更新事由 | 誰が動くか |
|---|---|---|
| 民法147条2項 | 確定判決等による権利の確定 | 権利者(裁判手続) |
| 民法148条2項 | 強制執行等の事由の終了(取下げ等を除く) | 権利者(執行手続) |
| 民法152条1項 | 権利の承認 | 義務を負う側 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
147条・148条は権利者が動く。152条だけが、相手方の側から起きる更新じゃ。この違いは民法153条3項にも表れておるぞ。
効力が及ぶ範囲
民法153条3項は、承認による更新について次のように定めています。
前条の規定による時効の更新は、更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
承認した人との間だけなんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。民法153条は1項・2項・3項でそれぞれ147条・148条、149条〜151条、152条を受けておる。**いずれも「当事者及びその承継人の間においてのみ」**じゃ。第七章第一節を通じた原則じゃな。
民法146条との関係
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法146条 | 時効の利益は、あらかじめ放棄することができない |
| 民法152条1項 | 権利の承認があれば、時効は更新される |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
事前の放棄は認めぬ。じゃが承認による更新は認める。似て見えて、まるで違うのじゃ。
放棄は「時効という武器を捨てる」約束じゃ。承認は「今、権利があると認める」事実行為でな。捨てさせることは許さぬが、認めた以上は振り出しに戻す——民法の線引きは、そこにある。
資格別の演習
時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法152条1項がそのとおり定めています。承認は更新更新時効が新たにその進行を始めること(民法147条2項・148条2項・152条1項)。それまで経過した期間はリセットされます。用語ページを見る →の事由であり、それまでに経過した期間はリセットされます。
時効の更新の効力を生ずる承認をするには、相手方の権利についての処分につき権限があることを要する。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法152条2項は「相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない」と定めています。
承認による時効の更新は、更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法153条3項がそのとおり定めています。同条は1項で民法147条・148条を、2項で民法149条から151条までを、3項で民法152条を受けており、いずれも当事者及びその承継人の間に効力を限っています。