民法第160条・総則
民法第160条:相続財産に関する時効の完成猶予
相続財産については、相続人が確定した時・管理人が選任された時・破産手続開始の決定があった時から6か月を経過するまで時効は完成しません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
相続人が誰なのかまだ決まっていない財産って、誰に請求すればいいの? 相手がいないまま時効が完成しちゃう?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それを防ぐのが民法160条じゃ。相手が定まるまで、時効は完成しない。定まった時から6か月の猶予を置いておる。
条文の内容
相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 相続財産に関して |
| 猶予の起算 | ① 相続人が確定した時/② 管理人が選任された時/③ 破産手続開始の決定があった時 |
| 猶予の長さ | 6か月を経過するまで |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
3つも起算点が並んでる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
いずれも「相続財産について、話をする相手が決まった時」と読める。相続人が確定すればその者、管理人が選任されればその者、破産手続開始の決定があればその手続の中で——誰かが窓口になるのじゃ。
逆に言えば、窓口が定まらぬ間は猶予が続く。民法159条が婚姻の解消まで猶予を続けるのと、構えが似ておるのう。
相続財産の管理に関する条文とのつながり
民法953条は、相続人のあることが明らかでない場合の相続財産の清算人について、民法27条から29条までを準用しています。不在者の財産の管理のところで見た仕組みが、ここでも使われています。
| 場面 | 条文 |
|---|---|
| 相続人のあることが明らかでない | 民法951条(相続財産は法人とする)・952条(相続財産の清算人の選任) |
| その清算人の職務・権限・報酬 | 民法953条(民法27条〜29条を準用) |
| その間の時効 | 民法160条(6か月の完成猶予) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
財産を守る仕組みと、時効を止める仕組みが両方あるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう繋げたのう。持ち主が姿を見せぬ財産をどう扱うか——民法は、25条以下の不在者の規定、951条以下の相続人不存在の規定、そしてこの160条と、いくつもの角度から手当てしておるのじゃ。
特別の事情による完成猶予の4か条
| 条文 | 事情 | 起算点 | 長さ |
|---|---|---|---|
| 民法158条 | 未成年者・成年被後見人 | 行為能力者となった時等 | 6か月 |
| 民法159条 | 夫婦間の権利 | 婚姻の解消の時 | 6か月 |
| 民法160条 | 相続財産 | 相続人の確定等 | 6か月 |
| 民法161条 | 天災等 | 障害が消滅した時 | 3か月 |
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
158条から160条までは「権利を行使する相手や態勢が整っていない」場面、161条は「手続そのものを行えない」場面じゃ。似て見えて、着目しておるものが違うのう。
資格別の演習
相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から6か月を経過するまでの間は、時効は完成しない。
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解答:◯
正しい記述です。民法160条がそのとおり定めています。3つの起算点が並列で挙げられています。
民法160条による時効の完成猶予の起算点は、相続の開始の時である。
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解答:×
誤りです。民法160条が挙げる起算点は「相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時」です。相続の開始の時ではありません。
相続人のあることが明らかでない場合に選任される相続財産の清算人については、民法27条から29条までの規定が準用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法953条がそのとおり定めています。相続財産の管理をめぐっては、民法951条・952条が清算人の選任等を定め、時効については民法160条が完成猶予を置いています。