民法第4条・総則
民法第4条:成年
年齢18歳をもって成年とします。たった一行の条文ですが、行為能力・婚姻・養親・遺言など、年齢で線を引く制度全体の起点になります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「年齢十八歳をもって、成年とする」……これだけ? こんなに短くていいの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
短いが、効き目は絶大じゃ。この一行が決まると、だれが未成年者未成年者18歳に達していない人のこと(民法4条の反対解釈)。法律行為をするには、原則として法定代理人の同意が必要です。用語ページを見る →かが決まる。すると民法5条以下の保護が働く範囲が、まるごと決まってしまうのじゃよ。
条文の内容
年齢十八歳をもって、成年とする。
条文が定めているのは、この一点だけです。ここから、次のことが導かれます。
- 18歳に達した者は成年である
- したがって、18歳に達していない者が未成年者未成年者18歳に達していない人のこと(民法4条の反対解釈)。法律行為をするには、原則として法定代理人の同意が必要です。用語ページを見る →である
- 未成年者未成年者18歳に達していない人のこと(民法4条の反対解釈)。法律行為をするには、原則として法定代理人の同意が必要です。用語ページを見る →は、民法5条により法定代理人法定代理人本人が選んだのではなく、法律の規定によって代理権を与えられた人のこと。未成年者の親権者や成年後見人がこれにあたります。用語ページを見る →の同意なしに法律行為法律行為契約や遺言のように、意思表示を要素として、その意思のとおりの法律効果を生じさせる行為のこと。用語ページを見る →をすることが原則としてできない
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「未成年者とは」っていう条文はないんだ。4条の裏返しなんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。民法は「成年」の側だけを決めておる。うまい書き方じゃろう。
年齢で線を引く、ほかの条文
18歳という線は民法の中でも万能ではありません。制度ごとに、別の年齢が定められています。
| 場面 | 条文 | 年齢 |
|---|---|---|
| 成年 | 民法4条 | 18歳 |
| 婚姻をすることができる年齢 | 民法731条 | 18歳 |
| 養親となることができる年齢 | 民法792条 | 20歳 |
| 遺言をすることができる年齢 | 民法961条 | 15歳 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
養子をとるのは20歳からで、遺言は15歳からできるんだ! ぜんぶ18歳じゃないんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
制度ごとに求められる成熟の中身が違うからのう。試験ではここを入れ替えて出す。条文の数字そのままで覚えるのじゃ。
婚姻適齢(民法731条)が民法4条の成年年齢と同じ18歳であるため、「婚姻をした未成年者を成年として扱う」という仕組みは、現行民法には置かれていません。e-Gov法令検索で確認できる現行法では、**第753条及び第754条は「削除」**とされています。
成年になると何が変わるか
行為能力行為能力自分ひとりで確定的に有効な法律行為をすることができる資格のこと。年齢や審判によって画一的に決まる点が、行為ごとに判断される意思能力と違います。用語ページを見る →の側から見ると、成年に達することの意味ははっきりしています。
| 未成年者 | 成年者 | |
|---|---|---|
| 法律行為 | 原則として法定代理人法定代理人本人が選んだのではなく、法律の規定によって代理権を与えられた人のこと。未成年者の親権者や成年後見人がこれにあたります。用語ページを見る →の同意が必要(民法5条1項) | ひとりでできる |
| 同意なくした行為 | 取り消すことができる(民法5条2項) | 取消しの対象にならない |
ただし、成年に達したからといって、そこから先ずっと行為能力行為能力自分ひとりで確定的に有効な法律行為をすることができる資格のこと。年齢や審判によって画一的に決まる点が、行為ごとに判断される意思能力と違います。用語ページを見る →が保障されるわけではありません。精神上の障害により事理を弁識する能力事理を弁識する能力物事の道理をわきまえ、自分の行為の結果を判断する能力のこと。これを「欠く常況」なら後見、「著しく不十分」なら保佐、「不十分」なら補助の対象になります。用語ページを見る →を欠く常況にあるときは、家庭裁判所家庭裁判所家庭に関する事件などを扱う裁判所。後見・保佐・補助を開始する審判と、その取消しの審判はここが行います。用語ページを見る →の審判により成年被後見人成年被後見人後見開始の審判を受けた人のこと(民法8条)。その法律行為は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除いて取り消すことができます。用語ページを見る →となることがあります(民法7条・8条)。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
年齢で外れる制限と、審判で入る制限。行為能力の話は、この2つの入り口があると覚えておくとよいぞ。
資格別の演習
民法上、年齢18歳をもって成年とされる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法4条は「年齢十八歳をもって、成年とする」と定めています。この条文の裏返しとして、18歳に達していない者が未成年者未成年者18歳に達していない人のこと(民法4条の反対解釈)。法律行為をするには、原則として法定代理人の同意が必要です。用語ページを見る →となり、民法5条以下の保護を受けます。
婚姻をすることができるのは20歳からであり、成年年齢と婚姻をすることができる年齢は一致していない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法731条は「婚姻は、十八歳にならなければ、することができない」と定めており、民法4条の成年年齢と一致しています。20歳という年齢が定められているのは、養親となる者の年齢(民法792条)です。
15歳に達した者は遺言をすることができるが、養子をすることができるのは20歳に達した者である。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法961条が「十五歳に達した者は、遺言をすることができる」、民法792条が「二十歳に達した者は、養子をすることができる」と定めています。成年年齢(18歳)とは別の線が引かれている代表例です。
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなされる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。現行民法にそのような規定はありません。婚姻をすることができるのは18歳からであり(民法731条)、民法4条の成年年齢と一致しています。現行民法では第753条及び第754条は「削除」とされています。