民法第267条・物権
民法第267条:相隣関係の規定の準用
相隣関係30か条が、地上権者にも及びます。ただし境界線上の工作物の共有推定だけは、地上権の設定後に設けられた場合に限られます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
相隣関係相隣関係隣り合う土地の所有者どうしの利害を調整する民法209条〜238条のルール。所有権を互いに少しずつ制限し、また少しずつ広げます。用語ページを見る →って「土地の所有者は」で始まる条文が多かったよね。地上権地上権他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する物権(民法265条)。同じ「借りて使う」でも、債権である賃借権とは性質が異なります。用語ページを見る →者には関係ないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい着眼じゃ。民法267条が、その穴を埋めておる。相隣関係の30か条を、地上権者にも及ぼすのじゃよ。
条文の内容
前章第一節第二款(相隣関係)の規定は、地上権者間又は地上権者と土地の所有者との間について準用する。ただし、第二百二十九条の規定は、境界線上の工作物が地上権の設定後に設けられた場合に限り、地上権者について準用する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 準用されるもの | 前章第一節第二款(相隣関係=民法209条〜238条) |
| 準用される関係 | 地上権者間、又は地上権者と土地の所有者との間 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「地上権者間」も入ってる。隣り合う土地に、それぞれ地上権者がいる場合だね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。現に土地を使っておる者どうしで調整させるのが理にかなっておるからのう。隣地の使用(民法209条)も、通行権(民法210条)も、竹木の枝(民法233条)も、地上権者の間で使えることになる。
ただし書:民法229条の特則
ただし、第二百二十九条の規定は、境界線上の工作物が地上権の設定後に設けられた場合に限り、地上権者について準用する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 民法229条(境界標等の共有共有一つの物を複数人で所有すること。各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用ができます(民法249条1項)。用語ページを見る →の推定) |
| 条件 | 境界線上の工作物工作物人が土地に手を加えて設けた物のこと。建物・橋・トンネルなどを指し、地上権の目的(民法265条)や相隣関係の条文にたびたび登場します。用語ページを見る →が地上権の設定後に設けられた場合に限る |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どうして229条だけ別あつかいなの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
考えてみよ。民法229条は、境界線上の境界標境界標土地の境界を示すために設ける目印のこと。隣地の所有者と共同の費用で設けることができます(民法223条)。用語ページを見る →や囲障囲障隣り合う建物の境界に設ける囲いのこと。協議が調わないときは、板塀や竹垣その他これらに類する材料で高さ2メートルのものとされます(民法225条2項)。用語ページを見る →を相隣者の共有と推定する条文じゃった。
もし地上権の設定前からあった塀まで地上権者の共有と推定してしもうたら——土地の所有者がすでに持っておった物を、後から来た地上権者が取り上げることになりかねぬ。だから「設定後に設けられた場合に限り」と絞ったのじゃな。
準用するときは、そのまま当てはめてよいかを一つずつ確かめる。民法の丁寧さが出ておるところじゃ。
資格別の演習
相隣関係の規定は、地上権者間又は地上権者と土地の所有者との間について準用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法267条本文がそのとおり定めています。
民法229条の規定は、境界線上の工作物が地上権の設定前に設けられた場合にも、地上権者について準用される。
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解答:×
誤りです。民法267条ただし書は「境界線上の工作物が地上権の設定後に設けられた場合に限り」準用するとしています。
民法267条により、公道に至るための他の土地の通行権に関する民法210条の規定は、地上権者についても準用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法267条本文は相隣関係の規定(民法209条から238条まで)を準用対象としており、民法229条以外に特則は置かれていません。