民法第262条の2・物権
民法第262条の2:所在等不明共有者の持分の取得
所在の分からない共有者の持分を、裁判所の裁判で取得できます。所有者不明土地問題に正面から向き合った、令和3年改正の中心規定です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
相続を重ねて共有者が20人。しかも半分は誰だか分からないの……。もう何もできないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこに手を差し伸べたのが民法262条の2じゃ。令和3年改正の目玉のひとつでな。所在等不明共有者所在等不明共有者共有者が誰であるか、またはその所在を知ることができない共有者のこと。裁判所の裁判により、その持分を取得したり譲渡したりする道が用意されています(民法262条の2・262条の3)。用語ページを見る →の持分持分共有者が共有物に対して有する権利の割合のこと。各共有者の持分は相等しいものと推定されます(民法250条)。用語ページを見る →を、裁判で取得できるようにした。
1項:裁判による持分の取得
不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)の持分を取得させる旨の裁判をすることができる。この場合において、請求をした共有者が二人以上あるときは、請求をした各共有者に、所在等不明共有者の持分を、請求をした各共有者の持分の割合で按分してそれぞれ取得させる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 不動産が数人の共有に属する場合 |
| 場面 | 他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない |
| 誰が | 裁判所が、共有者の請求により |
| 効果 | 所在等不明共有者の持分を取得させる旨の裁判 |
| 請求者が複数のとき | 各共有者の持分の割合で按分して取得させる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「不動産が」って書いてある。動産はダメなんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文が対象を絞っておる。登記登記不動産の権利関係を法務局の登記簿に記録して公示する制度。不動産の物権変動は、登記をしないと第三者に主張できません。用語ページを見る →で権利関係をたどれる不動産だからこそ、慎重な手続を組めるのじゃろう。5項では、不動産の使用収益権(所有権を除く)が共有の場合にも準用しておるぞ。
2項:分割請求等があり異議の届出があるとき
前項の請求があった持分に係る不動産について第二百五十八条第一項の規定による請求又は遺産の分割の請求があり、かつ、所在等不明共有者以外の共有者が前項の請求を受けた裁判所に同項の裁判をすることについて異議がある旨の届出をしたときは、裁判所は、同項の裁判をすることができない。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
共有物分割や遺産分割の手続が動いておるなら、そちらで決着をつけよ、という筋道じゃな。異議の届出が要件に入っておるのを見落とさぬようにな。
3項:相続財産に属する場合の10年
所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、第一項の裁判をすることができない。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ここでも10年! 民法258条の2と同じだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう結びつけたのう。相続開始から10年——令和3年改正が引いた共通の線じゃ。それまでは遺産分割の領分、それを過ぎたら共有の手続へ、という切り替えじゃな。
4項:時価相当額の支払請求
第一項の規定により共有者が所在等不明共有者の持分を取得したときは、所在等不明共有者は、当該共有者に対し、当該共有者が取得した持分の時価相当額の支払を請求することができる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
持分を失った者が後から現れたときの備えじゃ。タダで取り上げるのではない。民法253条2項の「相当の償金償金適法な行為によって相手に生じた損害を埋め合わせるために支払う金銭のこと。相隣関係では、隣地の使用や通行を認める代わりに支払われます。用語ページを見る →」と同じ発想じゃな。
5項:使用収益権への準用
前各項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。
資格別の演習
不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に所在等不明共有者の持分を取得させる旨の裁判をすることができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法262条の2第1項前段がそのとおり定めています。
民法262条の2第1項の請求をした共有者が二人以上あるときは、請求をした各共有者の持分の割合で按分してそれぞれ持分を取得させる。
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解答:◯
正しい記述です。民法262条の2第1項後段がそのとおり定めています。
民法262条の2第1項により共有者が所在等不明共有者の持分を取得したときは、所在等不明共有者は、その共有者に対し、取得した持分の時価相当額の支払を請求することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法262条の2第4項がそのとおり定めています。