民法第925条・相続
民法第925条:限定承認をしたときの権利義務
相続人が限定承認をしたときは、その被相続人に対して有した権利義務は消滅しなかったものとみなされます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
相続人が被相続人にお金を貸していたら、その債権はどうなるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
本来なら混同混同同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属したときに、その他の物権が消滅すること(民法179条1項)。自分の物に自分の制限物権を残しておく意味がないためです。用語ページを見る →で消える。 だが民法925条が、消えなかったものとみなしておる。
条文
相続人が限定承認をしたときは、その被相続人に対して有した権利義務は、消滅しなかったものとみなす。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 場面 | 相続人が限定承認限定承認相続によって得た財産の限度でのみ被相続人の債務等を弁済すべきことを留保してする承認のこと。用語ページを見る →をしたとき |
| 対象 | その被相続人被相続人相続される側の人、すなわち死亡した者のこと。用語ページを見る →に対して有した権利義務 |
| 効果 | 消滅しなかったものとみなす |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
混同って、民法520条だよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は消滅する——それが民法520条本文じゃ。
相続によって相続人が債権者と債務者を兼ねれば、そのまま消えてしまう。
だが限定承認は相続財産相続財産被相続人の財産に属した一切の権利義務のこと。被相続人の一身に専属したものは除かれます(民法896条ただし書)。用語ページを見る →を分けて清算する手続じゃ。 相続人自身の債権も、他の相続債権者相続債権者相続財産に属する債務の債権者のこと(民法927条1項括弧書き)。相続人自身の債権者と区別されます。用語ページを見る →と並んで扱わねば公平を欠く。
そこで「消滅しなかったものとみなす」と置いた——そう読める規定じゃな。
民法950条2項により、財産分離の場合にも準用されておるぞ。
資格別の演習
相続人が限定承認をしたときは、その被相続人に対して有した権利義務は、消滅しなかったものとみなされる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法925条がそのとおり定めています。
民法925条の規定は、相続人の債権者の請求による財産分離の場合について準用される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法950条2項がそのとおり定めています。
相続人が単純承認をした場合にも、その被相続人に対して有した権利義務は消滅しなかったものとみなされる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法925条が対象とするのは限定承認をしたときです。