民法第713条・債権
民法第713条:精神上の障害による責任無能力
精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は賠償責任を負いませんが、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは別です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
自分で酔いつぶれて他人にけがをさせても、責任を免れるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこはただし書が押さえておる。 民法713条じゃ——本文とただし書を並べて読むのが肝じゃな。
条文
精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 本文 | 精神上の障害により責任を弁識する能力を欠く状態にある間の加害 → 責任を負わない |
| ただし書 | 故意又は過失によって一時的にその状態を招いたとき → この限りでない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「一時的に」って書いてあるね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが読みどころじゃ。 自ら招いた一時的な状態なら、免責を与えぬ、と読める。
故意故意結果の発生を知りながらあえて行為をすること。「わざと」にあたる心の状態で、うっかりを意味する過失と対になります。用語ページを見る →だけでなく過失過失注意すれば気づけたのに、不注意で気づかなかったこと。『善意無過失』は「知らず、かつ不注意もなかった」状態を指します。用語ページを見る →でも足りる書きぶりじゃな。
民法712条が未成年者未成年者18歳に達していない人のこと(民法4条の反対解釈)。法律行為をするには、原則として法定代理人の同意が必要です。用語ページを見る →を対象にしておったのに対し、713条は年齢を問わぬ。 責任能力責任能力自己の行為の責任を弁識するに足りる知能のこと。これを備えていない者は、他人に損害を加えても賠償責任を負いません(民法712条・713条)。用語ページを見る →を欠く場面を、二つの条文で分担しておるのじゃ。
成年後見の話ではない
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
紛らわしいが、713条は成年被後見人成年被後見人後見開始の審判を受けた人のこと(民法8条)。その法律行為は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除いて取り消すことができます。用語ページを見る →かどうかを問うておらぬ。
問うておるのは、加害の時点で責任を弁識する能力を欠く状態にあったかどうかじゃ。
後見開始の審判後見開始の審判精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人について、家庭裁判所が後見を開始すると決める裁判(民法7条)。用語ページを見る →を受けていなくとも本文にあたることがあり、受けていても加害時に能力があれば本文にはあたらぬ——そう読める組み立てじゃな。
資格別の演習
精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、原則としてその賠償の責任を負わない。
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解答:◯
正しい記述です。民法713条本文がそのとおり定めています。
故意によって一時的に責任を弁識する能力を欠く状態を招いた者も、その状態にある間に他人に損害を加えたときは賠償の責任を負わない。
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解答:×
誤りです。民法713条ただし書は、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは本文を適用しないとしています。
民法713条ただし書は、過失によって一時的に責任弁識能力を欠く状態を招いた場合にも適用される。
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解答:◯
正しい記述です。民法713条ただし書は「故意又は過失によって」と定めています。