民法第354条・物権

民法第354条:動産質権の実行

質物をそのまま弁済に充てるには、正当な理由・鑑定人の評価・裁判所への請求・債務者への通知。4つの条件がそろって初めて認められます。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

民法349条で「払えなければもらう」という約束は禁止だったよね。じゃあ、実際に払ってもらえなかったときは?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこで民法354条じゃ。法律に定める方法の中身がここに書かれておる。4つの条件が並んでおるぞ。

条文の内容

動産質権者は、その債権の弁済を受けないときは、正当な理由がある場合に限り、鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができる。この場合において、動産質権者は、あらかじめ、その請求をする旨を債務者に通知しなければならない。

# 条件
① その債権の弁済を受けないとき
② 正当な理由がある場合に限り
③ 鑑定人の評価に従い
④ 裁判所に請求
⑤ あらかじめ、その請求をする旨を債務者に通知

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

ずいぶん厳しい……。簡単には認められないんだね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

民法349条が流質契約流質契約りゅうしちけいやく設定行為又は債務の弁済期前の契約で、質権者に弁済として質物の所有権を取得させる等を約すること。民法349条はこれを禁じています。用語ページを見る →を禁じた趣旨を思い出すのじゃ。10万円の借金のために100万円の品を失わせてはならぬ。

だから鑑定人が値を付け、裁判所が判断する。そしてあらかじめ債務者に知らせる——債務者が慌てて弁済する機会を残しておるとも読めよう。

「直ちに弁済に充てる」

条文が定めるのは、質物そのものをもって弁済に充てる方法です。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

競売にかけて代金から回収する道もあろうが、354条が書いておるのは質物をそのまま充てる場合じゃ。だからこそ評価が要る。値が付かねば、いくら弁済されたか分からぬからのう。

民法338条2項も「裁判所が選任した鑑定人に評価させなければならない」としておった。民法は、価値の判断を当事者任せにせぬのじゃな。

349条と354条の関係

条文 役割
民法349条 弁済期前の流質契約を禁じる
民法354条 法律に定める方法を示す

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

禁じるだけじゃなくて、代わりの道も用意してあるんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが民法の作り方じゃ。塞ぐ条文と、開ける条文はセット。民法211条2項(通路の開設)と212条(償金償金しょうきん適法な行為によって相手に生じた損害を埋め合わせるために支払う金銭のこと。相隣関係では、隣地の使用や通行を認める代わりに支払われます。用語ページを見る →)、民法231条と232条——何度も見てきた型じゃな。

資格別の演習

行政書士正誤問題AI生成類題

動産質権者は、その債権の弁済を受けないときは、正当な理由がある場合に限り、鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができる。

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解答:◯

正しい記述です。民法354条前段がそのとおり定めています。

司法書士正誤問題AI生成類題

民法354条の請求をする動産質権者は、あらかじめ、その請求をする旨を債務者に通知しなければならない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。民法354条後段がそのとおり定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

動産質権者は、債権の弁済を受けないときは、自らの判断で質物をもって直ちに弁済に充てることができる。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。民法354条は、正当な理由がある場合に限り、鑑定人の評価に従い、裁判所に請求することができるとしています。自らの判断で充当することはできません。

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