民法第1038条・相続
民法第1038条:配偶者による使用(配偶者短期居住権)
配偶者は従前の用法に従い善良な管理者の注意をもって居住建物を使用しなければなりません。第三者に使用させるには居住建物取得者の承諾が必要で、違反があれば意思表示によって消滅させられます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
短期居住権でも、使い方に決まりがあるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
民法1038条じゃ。 民法1032条とよう似ておるが、違うところがある。
条文
1 配偶者(配偶者短期居住権を有する配偶者に限る。以下この節において同じ。)は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用をしなければならない。
2 配偶者は、居住建物取得者の承諾を得なければ、第三者に居住建物の使用をさせることができない。
3 配偶者が前二項の規定に違反したときは、居住建物取得者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者短期居住権を消滅させることができる。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 従前の用法に従い、善良な管理者の注意善良な管理者の注意その立場の人に通常求められる程度の注意のこと。共有物を使用する共有者や各種の管理人が負う注意義務の基準です(民法249条3項・264条の5第1項など)。用語ページを見る →をもって居住建物の使用 |
| 2項 | 居住建物取得者居住建物取得者居住建物の所有権を相続又は遺贈により取得した者のこと(民法1037条1項)。用語ページを見る →の承諾なく第三者に使用させることができない |
| 3項 | 違反したとき → 意思表示によって配偶者短期居住権配偶者短期居住権被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた配偶者が、一定の日までの間、その建物について無償で使用する権利のこと(民法1037条1項)。用語ページを見る →を消滅させることができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
1032条とはどこが違うの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
三つ挙げよう。
一つ、1038条1項には「従前居住の用に供していなかった部分」のただし書がない。
二つ、2項に「改築若しくは増築」が挙がっておらぬ。 使用のみの権利じゃからのう。
三つ、3項に催告が要らぬ。 民法1032条4項は相当の期間を定めた是正の催告を求めておった。
短期の権利ゆえ、催告を待たせては意味がない——そう読める違いじゃな。
資格別の演習
配偶者短期居住権を有する配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用をしなければならない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法1038条1項がそのとおり定めています。
配偶者が民法1038条1項又は2項に違反したときは、居住建物取得者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者短期居住権を消滅させることができる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法1038条3項がそのとおり定めています。
民法1038条3項により配偶者短期居住権を消滅させるには、相当の期間を定めた是正の催告が必要である。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法1038条3項は催告を要件としていません。是正の催告を求めるのは、配偶者居住権についての民法1032条4項です。