民法第247条・物権
民法第247条:付合、混和又は加工の効果
所有権が消えれば、その物に付いていた抵当権なども消えます。ただし合成物の単独所有者・共有者になったときは、権利が移り住みます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
付合付合別々の所有者に属する物がくっついて、分離できなくなること。不動産の付合(民法242条)と動産の付合(民法243条)があります。用語ページを見る →で所有権が相手に移ったとして……その物に付いていた質権や抵当権はどうなるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
鋭い問いじゃ。民法247条が、まさにそこを定めておる。所有権が消えれば、その上の権利も消える。ただし例外があるぞ。
1項:他の権利も消滅する
第二百四十二条から前条までの規定により物の所有権が消滅したときは、その物について存する他の権利も、消滅する。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 原因 | 民法242条から246条までの規定により物の所有権が消滅した |
| 効果 | その物について存する他の権利も、消滅する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
土台の所有権がなくなったら、上に乗っていた権利も一緒に……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そういう理屈じゃな。物権物権物を直接に支配する権利のこと。特定の人に対して請求する債権と違い、誰に対しても主張できるのが特徴です。民法第二編が定めます。用語ページを見る →は物を支配する権利じゃ。その物が独立の存在でなくなれば、支えを失う。
2項:合成物に移り住む
前項に規定する場合において、物の所有者が、合成物、混和物又は加工物(以下この項において「合成物等」という。)の単独所有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その合成物等について存し、物の所有者が合成物等の共有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その持分について存する。
| 元の所有者の立場 | 他の権利の行き先 |
|---|---|
| 合成物等の単独所有者となった | 以後その合成物等について存する |
| 合成物等の共有者となった | 以後**その持分持分共有者が共有物に対して有する権利の割合のこと。各共有者の持分は相等しいものと推定されます(民法250条)。用語ページを見る →**について存する |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
消えるんじゃなくて、引っ越すんだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
うまい言い方じゃな。所有権を失っておらぬ者の物に付いていた権利は、行き場を得る。民法243条で主たる動産の所有者になった者、民法244条で共有者になった者——それぞれに合わせて、条文が行き先を書き分けておる。
1項と2項は表裏じゃ。所有権を失った側の権利は消え、失わなかった側の権利は移る。そう掴んでおけば混乱せぬぞ。
損失を受けた者の救済
権利が消えた者は、次の民法248条によって償金償金適法な行為によって相手に生じた損害を埋め合わせるために支払う金銭のこと。相隣関係では、隣地の使用や通行を認める代わりに支払われます。用語ページを見る →を請求することになります。
第二百四十二条から前条までの規定の適用によって損失を受けた者は、第七百三条及び第七百四条の規定に従い、その償金を請求することができる。
資格別の演習
民法242条から246条までの規定により物の所有権が消滅したときは、その物について存する他の権利も消滅する。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法247条1項がそのとおり定めています。
物の所有者が合成物の共有者となったときは、その物について存した他の権利は、以後その持分について存する。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。民法247条2項後段がそのとおり定めています。単独所有者となったときは合成物等について存します。
民法247条1項により権利が消滅した者は、何らの救済も受けられない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。民法248条により、民法242条から247条までの規定の適用によって損失を受けた者は、民法703条及び704条の規定に従い償金を請求することができます。