民法第487条・債権
民法第487条:債権証書の返還請求
債権証書がある場合、全部の弁済をした者はその証書の返還を請求することができます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
借用証書、返してもらえるよね?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
返してもらえる。ただし全部払ったならな。 民法487条じゃ。民法486条とは要件が違う——そこが問われるところじゃぞ。
条文
債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。
| 要素 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 前提 | 債権に関する証書(債権証書債権証書債権の存在を証明する証書(借用証書など)。全部の弁済をした者は返還を請求できます(民法487条)。用語ページを見る →)がある |
| 要件 | 弁済をした者が全部の弁済弁済債務の内容である給付を実現して債権を満足させること。債務者が債権者に弁済をしたとき、その債権は消滅します(民法473条)。用語ページを見る →をした |
| 効果 | その証書の返還を請求することができる |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
一部だけ払った場合は返してもらえないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
当然じゃ。 まだ債権が残っておるのに証書を渡しては、債権者が証拠を失うからのう。
証書は、債権が生きている間は債権者のもの。債権が消えてはじめて、債務者の手に戻る——筋が通っておる。
486条と487条を並べる
| 民法486条(受取証書受取証書弁済を受領したことを証明する書面(領収書など)。弁済をする者は弁済と引換えに交付を請求できます(民法486条1項)。用語ページを見る →) | 民法487条(債権証書) | |
|---|---|---|
| 何を | 交付を請求 | 返還を請求 |
| 要件 | 弁済と引換えに | 全部の弁済をしたとき |
| 一部弁済で使えるか | 使える書きぶり | 使えない |
| 電磁的記録 | 請求できる(2項) | 条文に定めなし |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
受取証書は「もらう」、債権証書は「返してもらう」。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
もとの持ち主が違うのじゃな。受取証書は債権者が新たに作るもの、債権証書はもともと債務者側が差し入れたもの——だから「交付」と「返還」で言葉が分かれる。
条文の動詞ひとつにも、物の来し方が映っておる。
「引換えに」がないこと
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
487条には「引換えに」って書いてない!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よう見比べたのう。 民法486条1項は「弁済と引換えに」と明記しておる。 民法487条にはその言葉がない——条文の書きぶりが異なるのじゃ。
なぜ違うのかまでは、条文は語っておらぬ。 確かに言えるのは、言葉が違うということじゃ。そこを正確に押さえよ。
資格別の演習
債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。
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解答:◯
正しい記述です。民法487条がそのとおり定めています。
債務の一部を弁済した者は、民法487条により債権証書の返還を請求することができる。
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解答:×
誤りです。民法487条は「全部の弁済をしたとき」に返還を請求できると定めています。
民法487条は、債権証書の返還を弁済と引換えにすべき旨を定めている。
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解答:×
誤りです。「弁済と引換えに」と定めているのは受取証書について規定する民法486条1項であり、民法487条にはその文言がありません。